この料理に合うワイン

レシピに戻る

1st

ジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブラン ※フロムファームにブランド名が変わりました。

ジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブラン
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン

今回のレシピは、鮎の香草焼きです。アユは、キュウリウオ目、キュウリウオ科、アユ属の魚です。アユ属の魚は日本からベトナムにかけて生息しています。日本では川魚の代表格として尊ばれています。鮎の語源は「たべもの語源辞典」の清水桂一によると、九州の方言として今も使われている「落ちる」を意味する「あゆる」が転じたのではないか?としています。鮎が秋になると、産卵の為に住んでいた上流域から下流に落ちてくるのをみて「あゆる魚」という意味でアユと命名したとしています。また、鮎の文字は、中国では鯰を指しますが、日本では、神功天皇が三韓征伐の時に肥前松浦の玉島の里で戦勝を「占う」のにアユを釣った事から「占った魚」という事で「鮎」の文字があてられたとしています。鮎は下流域で卵から孵化し、少し大きくなると川を遡上し上流から中流に住み、水棲昆虫の幼虫などを食べて育ちます。体長が10cmを超える頃に川底の石などに付く珪藻や水苔を、歯で削り取るように食べるようになります。鮎が住んでいる川底の石を見ると、鮎がこそげ取った跡が笹の葉の形のように見える「鮎の食み跡」を見る事が出来ます。珪藻や苔を食べるようになると、鮎独特の香気が発散されるようになります。この頃の鮎を「香魚」と呼びます。産卵期になると下流域に下ります。下る時期は北国では早く8月の下旬から下るエリアもあります。九州や四国では、それよりも遅く10月から、場所によっては12月になる所もあります。一般的には、産卵が終わると、その短い一生を終えますので「年魚」と言う呼び名が与えられる事もあります。稀には越年する個体がいます。静岡県の柿田川では、富士の湧き水で水温が低く、ひと夏では産卵できるまでには成長せず越年する鮎が、しばしば見つかるそうです。そのほかダムなどで陸封されて越年する場合もあるそうです。日田市天瀬町で2020年の初夏に見つかった越年鮎は、この時点で既に29cmもあったそうです。

鮎料理の定番は塩焼きです。他には素揚げや小鮎の天婦羅、南蛮漬け、甘露煮と言ったところでしょうか...今回は定番の塩焼きをワインスクエア流に一工夫し、香草焼きにしました。作り方は簡単です。鮎は、ぬめりを取って、塩を強めにふって、タイムをのせてオリーブオイルをかけます。そして、220℃に温めておいたオーブンに入れ15~20分ほど皮に焼き色がつくまで焼けば出来上がりです。

この鮎の香草焼きにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは、ジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブランでした。サントリーでは、日本ワインのブランドを今年の9月に一新いたします。「畑からぶどうづくりと向き合うサントリーの、産地が見え、つくり手が見えるワイン」をメインテーマに「SUNTORY FROM FARM」として新発売いたします。ラインナップは4つです。日本の頂点を目指し、世界のトップ水準に伍していく意気込みの「シンボル」、サントリーのワイナリーの伝統と品質のこだわりの「ワイナリーシリーズ」、産地の個性や魅力を愉しんで頂きたい「テロワールシリーズ」と日本固有品種の特長を最大限に引き出した日本の食事に寄り添う「品種シリーズ」です。ジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブランは、「テロワールシリーズ」になります。青森県弘前市にある岩木山の標高100~150mの日当たりの良い南斜面に火山灰土壌が堆積した水はけの良い土地にぶどう畑があります。今回のマリアージュ実験で使った2019年ヴィンテージは、太田さんと木村さんの2軒の栽培農家さんが育ててくださったぶどうを使っています。2020年秋には、弘前市とつがる弘前農業協同組合(JAつがる弘前)とサントリーの三者で、津軽産ワインぶどうの生産拡大に向けた三者協定を締結し、津軽をワインの新たな産地として育てていく事にしました。その甲斐有って、新たにぶどう栽培に取り組んでくださる方々も増えてきています。

ジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブランはニュージーランドのソーヴィニョン・ブランのような華やかな香り立ちではありません。穏やかな、言ってみれば日本的なソーヴィニヨン・ブランです。グラスに注ぐと、柑橘系と青りんごを思わせる香りが立ち昇ります。爽やかなフレッシュハーブのニュアンスも少しあります。口に含むと辛口で、ジューシーさがあります。素直な果実の凝縮感と少し高めの酸味が綺麗にバランス取れている、冷涼産地らしいソーヴィニヨン・ブランです。

鮎と合わせます。鮎は、鮎独特の水苔由来の、少し笹を思わせるような香り立ちとタイムの風味を身に纏っています。鮎を齧ってソーヴィニヨン・ブランを口に入れます。鮎の身を噛む事で、鮎の香りが口の中に漂っているところに、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかな柑橘とハーブのニュアンスが更に重層的に広がっていく感じがします。

「爽やかさが際立ちますね」

「ワインの香りが、鮎と出会う事で力を増している感じです」

「蓼酢の役割をソーヴィニヨン・ブランが担っていますね」

「リンゴ酢で作った蓼酢のようで、とっても楽しいです」

「肝のほろ苦さが、ソーヴィニヨン・ブランで上手い具合に溶けるのでしょうか、丁度良い感じですね」

「川によっては、苦みが目立つ鮎もいますよね」

「川毎に、生える苔が違いますからね」

「今日の鮎は、長良川です」

「皮がパリッと焼けていてソーヴィニヨン・ブランとマッチしますよね」

「今日は、天然の鮎をはずみましたが、養殖の脂の乗った鮎でもジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブランは良く合います。養殖の鮎の時は、最初はオーブンの温度設定は低めの160℃位でじっくり火を通してから、最後に皮目をパリッとさせるために温度を上げると上手く焼けます」

夏は、鮎の季節です。

皆様も、是非鮎の香草焼きに挑戦してみてください。そしてジャパンプレミアム津軽産ソーヴィニヨン・ブランとの絶妙なマリアージュをお楽しみくださいませ。

2位に選ばれたのは、塩尻ワイナリー 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成でした。ミズナラは、ブナ科コナラ属の落葉広葉樹で別名をオオナラと言います。温帯の落葉広葉樹林の代表的構成種のひとつで、かつて日本の里山にも沢山生えていました。長野県にも、伊那の近くに天然記念物の「小黒川のミズナラ」があります。樽に使うと、ココナッツの様な香りと、最高級のお香に使われる白檀を思わせる高貴な香りが立ち昇ります。ウイスキーの響が世界的に認められたのは、ミズナラ原酒をキーモルトとして使っているからだそうです。ワインに使うと、オリエンタルな香りと印象を付与する事が出来る素晴らしい材です。ただ、ミズナラは節くれだってごつごつとした材なので、樽材に必要な柾目を取る為には樹齢100年を超える必要があります。本州のミズナラは、そこまでの古木が殆ど残っておらず、北海道産に頼っているのが現状です。ミズナラ樽は大変な貴重品なのです。
塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成を鮎と合わせると、「腸の苦み」が輝きを増します。鮎の旨さの、重要な要素である「腸の苦み」が、旨味を伴って奥行きと広がりを持ちます。皮の焦げ目も樽の香ばしさと共鳴していて、正に通好みのマリアージュだと思いました。

2nd

塩尻ワイナリー 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成 

塩尻ワイナリー 塩尻マスカット・ベーリーA ミズナラ樽熟成

日本
ぶどう品種 マスカット・ベーリーA

3位に選ばれたのは、塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼでした。「塩尻メルロ ロゼ」は塩尻ワイナリーのフラッグシップワインである岩垂原メルロや定番赤ワインの塩尻メルロの原料ぶどうで作るロゼワインです。メルロの香り成分や色は果皮に含まれます。岩垂原メルロや塩尻メルロをより一層、色濃く、香り豊かなワインに醸すために、破砕した果汁からジュースを一部取り出して、量を減らした果汁で発酵・醸しをします。そうする事で果汁に対する果皮の比率が高まって、色濃く、香り豊かなワインになります。取り出したジュースは、もともと高級ワインになる素性の良い果汁なので、そのまま白ワインを醸すようにワインにすると、色の淡いロゼワインになります。それが塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼです。辛口のロゼですが塩の効いた鮎に合わせると、甘やかさが広がります。鮎の皮目の旨味がロゼと出会う事で、すっと伸びて盛りあがり、そのまま余韻に繋がる感じです。ほろ苦い腸も、優しく解いて甘いニュアンスで優しく包む、心地良く楽しいマリアージュでした。

3rd

塩尻ワイナリー 塩尻メルロ ロゼ<br>※フロムファームにブランド名が変わりました。

塩尻ワイナリー
塩尻メルロ ロゼ
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 メルロ

レシピに戻る