今回のレシピは、ヤム素麺です。タイ料理研究家の鈴木都先生のアレンジレシピで、原型はタイの屋台料理であるヤムママーという料理です。ヤムママーは、ちょっと変わった料理です。ママー(MAMA)とはタイで有名なインスタントラーメンのブランド名です。わざわざインスタントラーメンの麺だけを使い、付いている粉末スープは使わずに、麺だけ使って、ヤム(和える、混ぜ合わせる)した料理です。ママーというインスタントラーメンを作っているのはタイ・プレジデント・フーズ・パブリックカンパニーで、今から50年くらい前に、台湾のユニ・プレジデント・エンタプライズ(統一企業股分有限公司)とタイのサハパタナプブ社との合弁で出来た会社です。インスタントラーメンのママーは、タイの国民食とも言える存在に成長し、現在では、なんと、1日に700万袋も生産されているそうです。鈴木都先生は、ママーの麺の代わりに、涼しげな雰囲気を醸し出せる素麺で、また具材も、ワインスクエア流の、ちょっと上品なものにアレンジしてくださいました。タレは、ナンプラー、ナンプリックパオ、ライムの搾り汁と砂糖を混ぜてつくります。辛み付けには、唐辛子を小口切りにしたものを入れます。ナンプリックパオは、タイ版スパイシーXO醬のようなもので、チリインオイルという名前で売っている場合もあります。最近急速に増えているコーヒー豆屋さんが母体の食品雑貨店やアジアンスーパー、ネットショップなどで購入する事が出来ます。ナンプリックパオを加えることで、コクが出ますし、辛味に深みが出ます。出来上がったヤム素麺からはナンプラーの個性的な香りと茹でた牛肉の香りがしてきます。その香りにパクチーやセロリ、更にナンプリックパオからの海老の香りが複雑さを与えています。
さて、このヤム素麺にティスティングメンバーが選んだイチオシワインはサンタ ゴールド ディープ シャルドネでした。サンタ ゴールド ディープ シャルドネは、お手頃価格で人気のサンタの兄貴分です。収穫量を制限する事で完熟させたシャルドネを使っています。その熟成の時に、フレンチオークとアメリカンオークの2種類の樫の板に漬け込む製法で、更に。とろっと濃い旨なシャルドネを実現しました。グラスに注ぐと、熟したパイナップルや洋梨を連想させる果実香や、甘いヴァニラを思わせる香りがあります。口に含むと、豊かな果実味とコクを楽しめる白ワインです。ヤム素麺を食べてから、サンタ ゴールド ディープ シャルドネのグラスを鼻に近づけると、ワイン単体でテイスティングした時よりも、香りの華やかさが際立ちます。牛肉やナンプリックパオの香りでシャルドネの香りが引き出されているのか、洋梨系の香りが強まって感じられます。
「牛肉なのに白ワインがイチオシに選ばれましたね」
「牛ロースの脂身の塊が、若くて力強い赤ワインのタンニンと出会う事によって甘みに転換する現象は、赤ワインのマリアージュの典型です。でも、サシが肉の中に細かく入ってる和牛は、白の濃厚タイプとの相性も良いものなのです。一般社団法人日本ソムリエ協会の田崎会長も『シンプルに焼いた和牛はムルソーなどの濃厚な白ワインとの相性も良い』とマリアージュのセミナーで仰っています」
「ナンプリックパオの海老の香りが、素晴らしいアクセントになっていますね」
「うん、発酵した海老のコクと香りが、ちょっと辛いタレの味わいに奥行きを与えています。その海老の香りと、サンタの熟した果物の香りが素敵に調和しています」
「煎ったナッツを噛むと、サンタ ゴールド ディープ シャルドネの濃厚さが更に際立ちます!」
皆様も、これからの暑い季節に、「素麺とか良いかも・・・・」と思われる場面があるかと思います。そんな時に、是非、ヤム素麺を思い出してください。そしてサンタ ゴールド ディープ シャルドネとのマリアージュをお楽しみくださいませ。
サンタ ゴールド ディープ シャルドネは、女性が選ぶワインコンクールとして有名な"SAKURA" Japan Women's Wine Awardsの第9回でダイヤモンドトロフィーに選ばれました。