この料理に合うワイン

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1st

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュット 

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュット

イタリア
ぶどう品種 グレーラ

今回のレシピは、白いラタトゥイユです。ラタトゥイユ=Ratatouilleは、ニースの名物でプロヴァンス料理と言われています。現在では世界中で作られる料理です。起源は比較的古く、1778年には料理名が料理書に登場します。フランスで、宮廷料理が形を成すのは、フィレンツェ出身のメディチ家のカトリーヌが、ヴァロワ朝のアンリ2世に嫁いだ時にイタリア料理人を連れてきた時であると言うのが定説です。また、一般の庶民が、きちんとした料理を食べる事が出来るようになるのは、1795年に終わるフランス革命で、王侯貴族の家臣であった料理人達が職を失い、街で料理屋を開いてからだと言われています。フランス革命開始の1789年以前からの料理であるラタトゥイユは、古くから有る料理と言えます。ラタトゥイユ=Ratatouilleという言葉は、オック語のラタトゥイユ=Ratatouioに由来します。Rataは軍隊の俗語で、豆とじゃがいもの煮物、Touillerは「かき混ぜる」で、2つが合体してラタトゥイユです。一般的に素材は、ナス、ズッキーニ、赤と黄色のパプリカ、トマト、玉ねぎ、ニンニク、オリーブなどで、それらをオリーブオイルで炒めます。ポイントはプロヴァンスのハーブで風味付けをする事です。プロヴァンスのハーブは、タイム、ベイリーフ、リーフパセリ、セロリの葉、ローズマリー、バジルなどです。

ラタトゥイユのオリジンを調べていくと、フランスからイタリアの地中海沿岸、更に、南ローヌからラングドック・ルーション、そしてバスク、ガスコーニュやスペインのカタロニアに到るあちらこちらに似た料理があります。イタリアではシチリアのカポナータ=Caponata (シチリア語ではCapunata)です。素材はナス、セロリ、トマト、オリーブで似ていますが、ワインビネガーで味付けするところが大きく異なります。様々な魚介が副素材として使われることも多く、オイルサーディン、アンチョビ、タコ、海老、カラスミ、卵などが使われます。南ローヌではボヘミアンです。ワイン産地のヴァンソブール周辺の料理で、素材はシンプルで、ナス、トマトをオリーブオイルで炒めプロヴァンスのハーブで香り付けをします。バスク、ガスコーニュではピペラードです。ピペラードという名前は、Piperade=赤唐辛子からきています。なので、唐辛子は必須です。そして、緑のパプリカも必ずと言って良いくらい使われます。これは、ピペラードの色を、バスクの旗である「イクリニャ」の赤、緑、白に合わせる為だと言われています。白い色は、一緒にそえられる事の多い鶏や羊、チーズや卵で表します。ガスコーニュの有名生ハムであるジャンボン バイヨンヌが使われる事も良くあります。スペインのカタロニアではサンファイナ=samfainaです。サンファイナはシンフォニーです。素材はラタトゥイユとほぼ一緒ですが、ラタトゥイユが材料を、元の大きさの1/4位にザクザク切るのに対してサンファイナは賽の目切です。基本的には肉料理や魚料理の付け合わせです。

今日は鈴木薫先生に、ワインに良く合う白いラタトゥイユを考案していただきました。素材は玉ねぎ、セロリ、冬瓜、かぶ、カリフラワー、ホワイトマッシュルームとヤングコーンで、白く仕上げるためのトマトは使いません。

この、白いラタトゥイユにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットでした。前回のとり貝のカルパッチョでの2オシに続いての快挙です。

この20年の世界のワイン市場を振り返ると、スティルワインは微増なのに対して、スパークリングワインは1.4倍にも伸びました。その堅調な伸びのスパークリングワインの中でも、プロセッコは伸び頭で、なんと20年で10倍になりました。その激増の中で2013年に、長らく王座を保っていた絶対帝王のシャンパンを抜き、現在まで、世界で一番※1売れているスパークリングワインカテゴリーとなりました。プロセッコとは、2009年にDOC認定されたヴェネト州とフリウリ・ヴェネツィア ジュリア州の特定のエリアでつくられるグレーラ種主体(85%以上)のスパークリングワインです。グレーラ種はOIV(国際ぶどう・ぶどう酒機構)に香り系品種と分類されている品種で、メロンや白桃を思わせる香りが出やすい品種だと言われています。ミオネット社は、フランチェスコ ミオネットによりプロセッコの“都”ヴァルドッビアーデネで1887年に創業された会社です。現在はヘンケル社の傘下に入り世界中に輸出されるようになりました。プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットは世界No.1※2プロセッコなんですよ。

軽やかな白い花やフレッシュなリンゴやメロンを思わせる香り、やさしい果実味とふんわりとした泡立ちが特長です。やわらかな味わいを後口のホロ苦さが程よく引き締める、素直でプロセッコらしい味わいです。

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットと白いラタトゥイユを合わせると、割とシンプルな味の構造のミオネットに、味わいの広がりがでます。

「美味しいです!」

「甘酸っぱさが広がって、爽やかです」

「冬瓜でしょうかね、瓜感が強く出ますね」

「グレーラ種はメロンのニュアンスが出る事が多いのです。メロンも瓜の仲間ですからね」

「桃の風味が口に広がった後、ふんわりと野菜のフレーヴァーが漂うんです」

野菜の滋味深い味わいが優しく広がる素敵なマリアージュでした。この白いラタトゥイユは、常備菜としては最強です。付け合わせとして、肉にも魚にも何でも自然に馴染みます。夕飯を準備していて「野菜が足りないなぁ・・・」と思ったら常備菜として冷蔵庫にいれている、この白いラタトゥイユを添えれば、冷たいままでも美味しいのでバッチリです。お家に居る時間が増えている昨今、こういう常備菜があると、本当に助かりますよね。皆様も是非白いラタトゥイユに挑戦してみてください。そしてミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットとの爽やかなマリアージュをお楽しみください。

※1 THE IWSR 2018 スパークリングワイン販売数量
※2 THE IWSR 2018 International brand

2位に選ばれたのはサンタ バイ サンタカロリーナ カベルネ・ソーヴィニヨンでした。チリのカベルネ・ソーヴィニヨンは1990年代後半の赤ワインブームの時から、「チリカベ」の愛称で、手頃な価格なのに本格的な味わいという事で人気を博してきました。その後チリとのEPA経済2国間協定で関税が逓減される中で、お手頃価格に更に磨きをかけたのがサンタ バイ サンタカロリーナです。 赤から黒のベリーを思わせる香りが豊かです。白いラタトゥイユと合わせると、ワインからくる完熟した果実の甘さ感と野菜の涼やかさが口の中で絡み合います。野菜の素朴な甘み、旨みでサンタの味わいがワンランクアップした楽しい組合せでした。

2nd

サンタ バイ サンタカロリーナ カベルネ・ソーヴィニヨン 

サンタ バイ サンタカロリーナ カベルネ・ソーヴィニヨン

チリ
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ

3位に選ばれたのは、サントリージャパンプレミアム かみのやま産カベルネ・ソーヴィニヨンでした。マリアージュ実験に使用したのが2018年ヴィンテージです、山形県上山市の契約農家の奈良崎さんに育てて頂いているカベルネ・ソーヴィニヨンで醸しました。畑は上山市の展望台のある花森湖から北西に1㎞行ったあたりです。真南に向いたかなりの傾斜のある畑で、カベルネ・ソーヴィニヨンが植えられているのは標高360mから380m辺りです。昨年奈良崎さんの畑に訪れ、樹齢40年のカベルネ・ソーヴィニヨンの植えられている斜面に立つと、斜面の下から吹き上げてくる風に包まれて、そこはかとないオーラを感じました。白いラタトゥイユと合わせるとそれぞれの野菜の香りがくっきりと判りました。特にタイムと一緒に口に運ぶと、カベルネ・ソーヴィニヨンの青々しいエネルギーを強く感じ、カリフラワーと合わせると、素朴な大地の、真っ直ぐな力を感じました。今回のレシピは白いラタトゥイユで、料理の色は白なのですが、2オシ、3オシは共に赤ワインでした。白いラタトゥイユの懐の深さ、ワインとの万能性を実感したテイスティングでした。

3rd

サントリージャパンプレミアム かみのやま産カベルネ・ソーヴィニヨン ※フロムファームにブランド名が変わりました。

サントリージャパンプレミアム かみのやま産カベルネ・ソーヴィニヨン
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン

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