この料理に合うワイン

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1st

ヤルンバ エデン ヴァレー ヴィオニエ<サミュエルズ コレクション> 

ヤルンバ エデン ヴァレー ヴィオニエ<サミュエルズ コレクション>

オーストラリア
ぶどう品種 ヴィオニエ

今回のレシピは、ヤム ガランプリー ガイ(キャベツと鶏ささ身のタイ風和え物)です。タイ語で「ヤム」は「和える、混ぜる」、「ガランプリー」は「キャベツ」で、「ガイ」は「鶏肉」です。鶏肉のどの部位を使っても、ヤム ガランプリー ガイになるのですが、今回はささ身を使いました。ささ身は高たんぱく低脂肪なので、アスリートの栄養源としても良く使われます。日本食品標準成分表2020年版(八訂)によると親鶏のささ身は100gあたりたんぱく質が24.6gもあるのに対して脂質は、なんと1.1gしかありません。比較的脂質が少ないと言われている、胸肉でも、皮つきのものでは、100gあたりたんぱく質が19.5gに対して脂質は、17.2gもあるのです。脂質の少ないたんぱく源としてささ身は、正に理想的な食品なのです。

鳥類と哺乳類の骨格を見比べると、鳥類は飛ぶための筋肉が大きく発達し、それを支える骨が、竜骨から胸骨で鳩胸の中央にある大きな骨です。飛ぶための筋肉は胸肉とささ身で、ささ身は胸肉の一部です。丸鶏を捌いた事のある方にはお判りだと思いますが、胸肉は、腹側から胸骨にそって包丁をいれると、簡単に外れる大きな塊の肉です。飛べない鶏でも、かなりの大きさです。その下にあって、竜骨に筋でくっついた笹の葉の形をしている筋肉がささ身です。胸の深い所にありますから、皮が有りません。皮が無いので、脂肪が極めて少ないのです。理想的な食品であるささ身ですが、欠点が2つあります。ひとつは真ん中にある筋を取るのが大変面倒な事、もう一つは火を入れすぎると、ぱさぱさになって美味しく無い事です。都先生は、鶏ささ身に火を入れる時は、耐熱容器にドーナツ状に入れて、白ワインをかけラップして、500ワットで2.3分様子を見ながら加熱していました。簡単に、鶏ささ身に、しっとりと火をいれるやり方があります。沸騰した鶏ガラスープに、室温に戻した鶏ささ身をいれて火を止めて、余熱で火を通す方法です。このやり方だと、確実にしっとりとした鶏ささ身が出来ます。また、そのスープに野菜を角切りにして入れると、もう一品野菜スープが出来上がります。鶏ささ身の粗熱が取れたら、手で裂くのですが、この時に堅い筋も取り除きましょう。加熱すると筋は少し縮んで生の時よりも取り除き易くなります。このレシピを美味しく作るポイントは、ピーナッツを乾煎りする所です。小さな鍋に入れ、少し焦げ目がつくまで乾煎りします。こうする事で格段に香ばしい香りの豊かな和え物になります。余熱でココナッツロングも乾煎りしましょう。ココナッツロングは、アジアンフードを作らない方には馴染みの余り無い食材かもしれません。椰子の実の果肉を細長く削って干したもので、20gで200円しないくらいで売られています。ココナッツロングを更に細かくしたものがココナッツファインで、どちらもココナッツ特有の香りとザクザクとした口当たりが楽しめます。揚げ物の衣やスィーツの生地に混ぜ込んだり、トッピングして使います。出来上がりの写真の皿の9時の中央よりの位置にあるのが、ココナッツロングを乾煎りしたものです。

さて、このヤム ガランプリー ガイ(キャベツと鶏ささ身のタイ風和え物)にテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはヤルンバ エデン ヴァレー ヴィオニエ<サミュエルズ コレクション>でした。ヤルンバは、オーストラリア最古の家族経営ワイナリーのひとつです。1849年、イギリスの移民サミュエル・スミスが12歳の息子シドニーと共に月明かりの下でぶどうを植え、‘ヤルンバ(先住民の言葉で「すべての土地」)’と名付けたのが始まりです。現当主は創業者から5世代目にあたるロバート・ヒル=スミスです。170年以上の伝統を守りつつ、常に新しい風を入れて新しいことにチャレンジしているオーストラリアの名門ワイナリーです。ヤルンバは「良いワインをつくるには、良いぶどうからだ」「良いぶどうをつくるには、良い苗が欠かせない」と考え1970年代には苗木研究所(ナーサリー)を作りました。ここで育てられた苗は、オーストラリア全土のぶどう栽培のレベル向上に貢献しました。

1980年代には、当時オーストラリアでは珍しかったヴィオニエを植えました。ヴィオニエはフランス・ローヌ地方で古くから栽培されていて、コンドリューなどの銘酒を生み出す北ローヌを代表するぶどう品種ですが、日当たりの良い斜面でしか完熟しない栽培の難しい品種でもありました。その為、年々栽培面積が減り続け、一時期は絶滅の危機が噂される程でした。しかしヴィオニエは、ひとたび完熟すると芳醇なアロマを醸し出し、黄色く熟したストーンフルーツ(核果=桃や梅のように中心に大きな種が一つある果物)を思わせる華やかな香りが特徴の素晴らしい品種なのです。

ヤルンバのチーフ ワインメーカーはルイーザ ローズです。彼女はヤルンバで20年以上ワインづくりに携わり、世界的に有名なヴィオニエ生産者として評されている人です。2014年にオーストラリアワイン研究所の所長に選任されました。また、2014年8月号のGood Food Magazineで、オーストラリアワインメーカーTOP10の1位を獲得し、また、その他数々の賞を受賞した凄腕醸造家です。

サミュエルズ コレクションは創業170年を祝して作られた創業者の名を冠した新シリーズです。ヤルンバ エデン ヴァレー ヴィオニエ<サミュエルズ コレクション>のGI(原産地名称)はバロッサ ヴァレーの東隣のエデン ヴァレーです。隣接しているのですがバロッサ ヴァレーとエデン ヴァレーの間にはバロッサ レーンジズと呼ばれる標高差200m近くもある断崖があり、エデン ヴァレーの方が、標高が高く冷涼です。陽射しが強く、しかも冷涼なこの土地こそが気難しいヴィオニエを完熟させる原動力となっているのです。熟成は古いフレンチバリック(225L)とパンチョン樽(500L)で10か月です。完熟の果汁たっぷりの白桃や大輪の百合の花、ハチミツなどを連想させる華やかな甘い香りに、白胡椒のニュアンスがあります。とろけるようなまろやかな果実味と、穏やかな酸味が特長の、ゆったりとした味わいの白ワインです。

ヤム ガランプリー ガイ(キャベツと鶏ささ身のタイ風和え物)と合わせると、ヤルンバ エデン ヴァレー ヴィオニエとココナッツの香りが合わさって、より一層、香り立ちます。

「ナッツ系の香りが華やかですね」

「ココナッツもだけど、僕はピーナッツとの相性が、とても良く感じられますね」

「ヴィオニエと合わせると、この和え物の色々なパーツ一つ一つの香りが強まります。香りが強まりはするのですが、バラバラに強まるのではなくヴィオニエが上手く纏めてくれています」

「エキゾチックで、とてもオリエンタルな印象ですね。もちろんタイ料理ですからオリエンタルなのですがね」

皆様も一度ヤム ガランプリー ガイ(キャベツと鶏ささ身のタイ風和え物)にトライしてみてください。そしてヤルンバ エデン ヴァレー ヴィオニエ<サミュエルズ コレクション>との抜群の相性をお楽しみください。

2位に選ばれたのはヴュー パープ フランス 赤でした。ヴュー パープは、ワイン大国フランスの家庭で80年以上も愛され続けるNo.1※フランスワインです。まろやかでやさしい味わいの実力派、80年は凄いロングセラーブランドですね。
サクランボやラズベリーを思わせる完熟した果実の香りに、クローブなどの甘苦系スパイスをイメージさせる香りがあります。まろやかな果実味とやさしい酸味、軽やかなタンニンが特長の親しみやすい味わいの赤ワインです。
ヤム ガランプリー ガイと合わせると、赤いバラの花のイメージが湧いてきました。ココナッツとの相性も良く、複雑な味わいの和え物と上手くバランスがとれていました。

※IRI FRANCE 2019データ フランス国内地理的表示のないワイン年間販売数量ヴューパープブランド計

2nd

ヴュー パープ フランス 赤 

ヴュー パープ フランス 赤

フランス
ぶどう品種 カリニャン、グルナッシュ、カベルネ・ソーヴィニヨン

3位に選ばれたのは、サントリージャパンプレミアム かみのやま産カベルネ・ソーヴィニヨンでした。山形県上山市のワイン用ぶどう栽培の名手奈良崎さんのカベルネ・ソーヴィニヨンをステンレスタンクで醸しました。フレンチオークの樽で13か月熟成、2018年は果実に凝縮感があったので、新樽を17%だけ使いました。
赤から青いベリーのイメージ、ミントを思わせる清涼感の奥にレザーのような動物的なニュアンスが感じられます。ほんの少し、胡椒のようなスパイシーな香りもあります。
ヤム ガランプリー ガイと合わせるとヴィオニエやヴュー パープ フランス 赤とは全く違う合い方をしました。パクチーやミントの緑の香りが、それこそ爆発する感じです。力強い緑の香りが口の中一杯に広がり、少し遅れて、新樽由来のバニラとナッティさが広がり、その後からじっくりと、旨みが棚引く様に漂う感じでした。ミディアムボディで、軽やかなサントリージャパンプレミアム かみのやま産カベルネ・ソーヴィニヨンの余韻がぐっと長く感じられる素適なマリアージュでした。

3rd

サントリージャパンプレミアム かみのやま産カベルネ・ソーヴィニヨン ※フロムファームにブランド名が変わりました。

サントリージャパンプレミアム かみのやま産カベルネ・ソーヴィニヨン
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン

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