この料理に合うワイン

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1st

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュット 

ミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュット

イタリア
ぶどう品種 グレーラ

今回の鈴木都先生のレシピは、バインミー、ベトナムの中部の都市ホイアンが発祥のサンドイッチです。ベトナムから、東南アジア一帯に広がりました。日本では、数年前はベトナム料理屋さんのランチなどで時折見掛けるくらいでしたが、2-3年前から専門店が何軒か東京にオープンしました。その後、名古屋、大阪や博多にも専門店が出来て、いまや、ちょっとしたブームです。バインミーはベトナム語の表記ではBánh mìもしくは Bánh mỳです。Bánhは「ケーキ」、mìもしくはmỳは、ともに「麺」で、バインミーと合体すると「パン」になります。漢字表記は「餅麵」で、まんま直訳です。バインミーだけだと、本来は、「総てのパン」を指す言葉ですので、食パンもフランスパンもコッペパンもみんなバインミーです。サンドイッチは、Bánh mì kẹp(挟む)、チャーシューを挟むとバインミー カサキ、パテを挟むとバインミー パーテーですが、短く略してバインミーと呼ばれるようになりました。ハノイでは、朝食でも食べられるので、屋台によっては朝5時から営業しているところもあるそうです。ベトナムでは、パンにはレバーペーストを塗る事が多いようです。具材は、何でも挟みます。定番はチャーシュー、豚の角煮、豚レバーのパテや鶏肉などです。魚では鯖を揚げてトマトで煮込んだものや薩摩揚げなどがメインです。 野菜はダイコンやニンジン、青パパイヤの甘酢漬け、キュウリ、トマトやレタス、タマネギ、パクチー、ミントなど、何でも挟みます。パンの方ですが、ベトナムは19世紀の中頃から1949年までフランス領でしたから、フランスパンの文化があります。ただ、ベトナムで主流のフランスパンは、米粉も入った、ふわっと柔らかいもので、バインミーにもそれが使われます。日本の専門店でも、恵比寿にある店は、ベトナムで修行し店内で生地から作っていますので、本場の味わいです。パンだけの販売もしていますので、自作のバインミーを本格的に作ってみたいなら、そこで購入されるのも良いかもしれません。もちろん市販の柔らかいフランスパンでも美味しくできます。その場合、皮のバリバリ感に拘ったフランスパンよりは、スーパーで売られているバタールなどの柔らかいタイプのほうが美味しく出来ます。パンに切り込みを入れてから、トースターで焼いて、パンの下にはバター、上にはマヨネーズを塗ります。薄切り胡瓜、豚レバーのパテ、チャーシュー、人参と大根の紅白なます、パクチー、チリソースの順に重ねて挟んだら出来上がりです。

この、バインミーにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはミオネット プロセッコ DOC トレヴィーゾ ブリュットでした。プロセッコは成長しているスパークリングワイン市場のなかでも筆頭格の成長株です。2000年以来現在までで10倍以上もの生産量になっています。THE IWSR 2018のスパークリングワイン販売数量を見ると3億7千万本。2013年にシャンパンを逆転してからその差は開く一方です。
ミオネット社は、「プロセッコを世に広めたい」というパッションを持ったワインメーカーです。フランチェスコ ミオネットにより、ヴェニスの北側にあるプロセッコ発祥の地ヴァルドッビアーデネで1887年創業しました。ミオネット社創業の地でありプロセッコの生産エリアの中心であるヴァルドッビアーデネは、北はアルプス山脈を臨み、東にはアドリア海があります。収穫を目前に控える夏の終わりには、寒暖の差が激しい気候となり、アロマティックなぶどうを生み出す事ができるエリアです。ヴァルドッビアーデネの丘は2019年にユネスコの世界遺産にも選ばれた美しい丘なんですよ。ミオネット社は、最古のプロセッコメーカーのひとつであり長年の歴史があります。創業からヴァルドッビアーデネで本拠地を構えていて、ぶどう栽培農家との関係性をとても大切にする会社です。長い間に築かれた信頼関係により良質なぶどうを入手する事が可能となり、世界で伸長するプロセッコのリーディングブランドの一つとして認められています。現在では、イタリア本国はもとより、イギリス、アメリカ、ドイツ、フランスを中心に世界70カ国以上で楽しまれているブランドなのです。
軽やかな白い花やフレッシュなりんごを思わせる香り、爽やかな柑橘のニュアンスと甘やかな桃のイメージがあります。やわらかな味わいを、後口のホロ苦さが程よく引き締める、素直でプロセッコらしい味わいのスパークリングワインです。

バインミーに合わせると、パクチーの香りと、爽やかなミオネットの香りとが上手く絡み合います。

「柔らかなバインミーの食感と、シュワシュワのミオネットがとても良く合います」

「豚レバーのパテのコクのある複雑な味と、チャーシューの甘みや旨みがあって食べ応え充分なのですが、ミオネットのお陰で軽やかな感じになりますね」

「パクチーの個性的な香りが、ミオネットの甘さの連想のある香りで出会って、心地良さを増しています」

「パンの香ばしい香りも、スパークリングワインと良く合いっていますよね」

流行し始めているバインミーですが、何を挟まなくてはいけない、というルールはありません。今回の定番パターンでも、レバーのパテやチャーシューを出来合いの物にすれば、とっても簡単に作れます。皆様も是非、バインミーに挑戦してみてください。そしてミオネットとの素晴らしいマリアージュをお楽しみください。

2位に選ばれたのはサントリー 塩尻マスカット・ベーリーAでした。マスカット・ベーリーAは「日本 醸造用ぶどうの父」と言われる川上善兵衛が交配した日本固有の品種で、甲州とならんでOIV(国際ぶどう・ぶどう酒機構)に登録されている品種です。 川上善兵衛は日本海に面した雪深い越後高田(現在の上越市)に生まれました。自宅から駅まで他人の土地を踏まなくても行けるというくらいの大地主でした。冬場、小作人達が出稼ぎに行き、戻ってこなくなるのは、越後高田に冬の仕事が無いからだ、と冬の作業も有ると思われるぶどう栽培やワインづくりに取組みました。しかし、ヨーロッパ系品種は、雪深い越後高田では育ちませんでした。アメリカ系品種は育つけれどもワインにして美味しくありません。そこで自ら日本の風土で育つ美味しいぶどうを作り上げる決意をしました。私財を投げ打ち、生涯に1万種以上の交配を繰り返し、そうして生まれた傑作がマスカット・ベーリーAなのです。やや明るいルビー色です。木いちごのような赤いベリーの果実香やイチゴキャンディのニュアンス、シナモンのようなスパイスの香りが豊かで、樽由来のロースト香も感じられます。
アタックは柔らかみがあります。心地よい酸を感じ、その後自然な甘味と柔らかいタンニンが加わり、複雑で、やや厚みのあるバランスの良い味わいのワインです。
バインミーと合わせると、レバーのパテの味わいが広がり、一層豊かに感じられました。チャーシューのコクもがっちりと受け止め、マスカット・ベーリーA自体も美味しくなる、とても良いマリアージュでした。

2nd

サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA ※フロムファームにブランド名が変わりました。

サントリー 塩尻マスカット・ベーリーA
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 マスカット・ベーリーA

3位に選ばれたのは、スパークリングワイン雫音すだち、今年の6月に新発売されたばかりのワインでした。
「厳選したワインに和柑橘果汁をプラス、爽やかで自然な風味が、いつもの食事を引き立てます!」をコンセプトに、開発されました。国産のすだち、それも加熱していない果汁を使う事により、フレッシュな香味を実現しました。すだちのすっきりとした風味と苦みが、味わいを大人っぽく引き締める感じです。バインミーと合わせると人参と大根の紅白なますを漬ける時に使ったレモンと、すだちとが共鳴しています。すっきりとした飲み口で、豚レバーの濃厚な後口をさらりと洗い流してくれて、ついもう一口食べたくなるような相性でした。

3rd

スパークリングワイン雫音<しずね>すだち ※終売しました。

スパークリングワイン雫音<しずね>すだち
※終売しました。

日本
ぶどう品種

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