今回のレシピは、ヌア ケム デー ディアオ(タイ版ビーフジャーキー)です。タイ語でヌアは「牛」、ケムは「塩辛い」、デーは「日光」や「日差し」、ディアオは「ひとつの」とか「だけの」と言った意味合いで、直訳すると「牛肉を塩辛くして陽に干しただけの料理」となります。タイ版のビーフジャーキーという訳ですね。ジャーキーは、かつてインカ帝国において公用語であったケチュア語で「生の食品全般」を指す「チャルキ」からきた言葉です。牛肉が主ですが、いろんな素材で作られています。日本のスルメも海外で販売される時は、Squid Jerky=烏賊ジャーキーと表示されたりします。タイ版ビーフジャーキーは、元々、水牛で作ったそうです。それも稲作などの労役を終えた、余り脂の無い牛で作る物だったそうです。なので、日本で作る場合はサシの多い高級な和牛より、アメリカ産やオーストラリア産の牧草を食べて育った腿などの赤身の方が美味しく出来ます。
牛肉は、工程の写真のように1.5センチ×10センチくらいの棒状に切ります。味付けはオイスターソース、シーズニングソース、醤油、ナンプラー、ごま油、砂糖と白ごまです。砂糖はタイではココナッツシュガーを使う事が多いですが、三温糖やキビ糖だと似た雰囲気になります。もちろん白砂糖で代用可能です。調味料を牛肉に、良くもみ込んだら半日ほど干します。日陰でも日向でも構いません。虫が気になる時は、ざるなどを被せましょう。干しあがったら中火で揚げて完成です。
さて、このヌア ケム デー ディアオ(タイ版ビーフジャーキー)にティスティングメンバーが選んだイチオシワインはヴュー パープ フランス(赤)でした。昨年2月にEUとのEPA(経済連携協定)が発効しワインの輸入関税が撤廃されました。ヴュー パープも、更にお手頃価格になって、それ以来、絶好調が続いています。フランスでも1935年の発売以来、85年にもわたって、多くの家庭で親しまれるロングセラーブランドとして愛され続けています。「ヴュー パープ」とは、フランス語で「おじいさん法王」という意味です。キリスト教の代々の老法王が、人々をワインで祝福してきたように、無数の家庭に幸せを運ぶワインでありたい、という思いから名づけられました。歴史があるだけでなく、フランスにおける販売数量でもナンバーワンブランド※1。まさに、フランスワインの決定版とも言えるワインなのです。そして、ヴュー パープを手がけるのは、フランスNo.1※2のワイン・グループ、カステル社です。長年培った技術とノウハウにより、まろやかで飲みやすい味わいをつくりあげ、世界中に届けている会社なのです。グラスに注ぐと赤いチェリーやラズベリーなどを思わせる果実の香りに、クローブなどのスパイスのニュアンスがあります。まろやかな果実味とやさしい酸味のバランスが良く、軽やかなタンニンが特長の親しみやすい味わいの赤ワインです。
ヌア ケム デー ディアオ(タイ版ビーフジャーキー)と合わせると、ヴュー パープのベリーを思わせる華やかな香りが、スッと広がります。
「旨いですね!牛肉の旨み、それも干される事で濃く凝縮した旨みを、軽やかに受け止めています」
「軽く楽しめる感じですね。この軽さが良いです。ついもう一口食べたくなります」
「このヴュー パープ、赤ワインですが、ほんのりと甘さがあるんですね。タイ版ビーフジャーキーの濃く凝縮した味わいを優しく洗い流して、口の中をリフレッシュしてくれますね」
「市販のジャーキーだと、自分には堅すぎるのですが、手作りだと自分好みの堅さに仕上げられるからとっても良いです」
牛肉の方も、日米の貿易協定が今年の1月1日に発効し、米国産牛肉に対する関税率がこれまでの38.5%から26.6%に引き下げられています。米国産牛肉が特売になる事も多くなっています。是非、皆様もヌア ケム デー ディアオ(タイ版ビーフジャーキー)に挑戦してみてください。そしてヴュー パープとの抜群の相性を「EPA恩恵コンビ」でお楽しみください。
※1 IRI FRANCE 2017データ フランス国内地理的表示のないワイン年間販売数量 ヴュー パープブランド計
※2 IMAPACT DATABANK 2016 , World's Top 10 Marketers(世界での販売数量データ)