この料理に合うワイン

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1st

レオナルド ヴェルメンティーノ 

レオナルド ヴェルメンティーノ

イタリア
ぶどう品種 ヴェルメンティーノ

今回の料理は、蕪と鯛のカルパッチョ グリーンソースです。蕪は、とっても美味しい野菜です。白く丸い、可愛い根っこがチャーミングです。丸くならずに長くなる蕪もあります。日野菜や片平茜は、形は大根そっくりです。一方、大根は丸くなる大根もあります。聖護院大根や丸大根が有名ですよね。蕪と大根は近い仲間ではありますが属が違います。蕪はアブラナ科アブラナ属、大根はアブラナ科ダイコン属です。蕪と同じアブラナ属にはキャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、ミズナ、小松菜、白菜、青梗菜など、見た目は蕪と全然ちがう野菜たちが入っているのですが、大根よりはずっと近い親戚なのですよ。蕪はカブラ、カブラナ、スズナなど、沢山の異名があります。小松菜の親戚ですから丸くなった根っこだけでなく、葉や茎も、大変美味しい野菜です。春の七草では、未だ根は小さい、芽の状態を、お粥にして食べるのが伝統ですよね。蕪には2回旬があると言われ、春と冬なのです。県別の生産量では千葉県がこのところ、ずっとトップで全国の1/4以上を作っています。埼玉と青森と続いて、トップ3県で日本の約半分を生産しています。蕪と鯛のカルパッチョ グリーンソースに使う鯛は、もちろん真鯛でも良いのですが、今回のマリアージュ実験ではチダイを使いました。チダイはスズキ目タイ科マダイ亜科チダイ属に属する魚です。姿かたちは真鯛によく似ています。ちょっと小振りのものが市場に多く出回っていますので市場では小鯛と表記される事もあります。外見での真鯛との違いは、チダイの方が、少しおでこが張っている事と、鰓蓋のところが「血が滲んだように赤い」事です。各地に別名があり、ハナダイやチコダイ、コデ、サクラダイ、レンコダイなどと呼ばれています。江戸前の寿司では、春に小さなチダイを酢で〆て春日子(カスゴ)と呼んで珍重します。場所によっては、真鯛、キダイ、チダイの小さいものをみんなカスゴと呼ぶ場所もあります。チダイの味わいは真鯛と同じく、淡泊で繊細、ほんのりと甘みがあるのが特徴です。写真をご覧ください。蕪の純白、鯛の美しい薄ピンクに、血合い部分の艶やかな紅。それにグリーンソースの深い緑のコントラストが素晴らしいです。

さて、この蕪と鯛のカルパッチョ グリーンソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは、今年2月に新発売されたばかりのレオナルド ヴェルメンティーノでした。レオナルド ヴェルメンティーノはイタリアNo.1生産者※、「カヴィロ」グループによる高品質な白ワインです。ワイナリーのある、ヴィンチ村は、かの有名なレオナルド ダヴィンチの生誕地です。レオナルド ヴェルメンティーノの醸造責任者のリッカルド・プッチはキャンティDOCGの評議委員も務める実力者です。ヴェルメンティーノはイタリア原産のぶどう品種で、南仏ではロールと呼ばれています。皮は薄く、熟すと麦わら色から黄金がかります。海沿いの日当たりの良い斜面で栽培される事が多く、辛口から甘口、スパークリングワインまで、幅広いタイプに醸されます。

レオナルド ヴェルメンティーノはトスカーナ州で栽培されたヴェルメンティーノを丁寧に手摘みしています。最新鋭の窒素ガス置換の圧搾機で酸素を遮断した状態で優しく圧搾し、24時間低温でデブルバージュ(果汁を清澄化する)した果汁はステンレスタンクで低温発酵を行い、翌春まで熟成されます。瑞々しいグレープフルーツや、もぎたての白桃などを連想させるフレッシュな果実の香りに、青りんご的な爽やかさがあります。ハーブのような清涼感を感じさせるところもあります。鮮度とまろやかさが共存した果実感と、それを支える心地良い酸味が特長の、バランスのとれた辛口の白ワインです。

蕪と鯛のカルパッチョ グリーンソースとレオナルド ヴェルメンティーノを合わせると蕪の味わいがぐっと引き立つのが判りました。

「蕪独特の素直な旨みが、より強くなりますね」

「蕪の香りって控えめですが芯があって、一本筋が通った感じですよね」

「土っぽい、でも野暮じゃない・・・って感じですね!」

「その土のニュアンスとヴェルメンティーノのミネラル感がマッチしています」

「そうそう、不思議な事に、ヴェルメンティーノのミネラル感って、鯛の海っぽいミネラル感とも合っているんですよ」

「ヴェルメンティーノって、島や、海に近い畑で、よく栽培されるのです。潮風の当たるような大地で育まれて美味しくなるヴェルメンティーノならではの特長なんでしょうかね、海にも、そして大地にも共鳴できるところがあるのですよ」

ヴァージン オリーブオイルの華やかな香り、グリーンソースに使われた、バジル、パセリ、ディルの緑のタッチが少し強調されるのですが、一部のソーヴィニヨン・ブランに見られたように、ハーブと共鳴しすぎて、蕪や鯛の味わいを邪魔する事がありません。

暖かくなり、様々な場所で春の息吹を感じるこの時期、蕪と鯛のカルパッチョ グリーンソースを作ってみてください。そしてレオナルド ヴェルメンティーノとの納得のマリアージュをお楽しみください。

※ Shanke's IMPACT databank Review and Forecast 2018
(The GLOBAL WINE MARKET, World's TOP 20 Wine Brands)

2位に選ばれたのは、ロス ヴァスコス シャルドネでした。ロス ヴァスコス シャルドネは今年開催された、女性が選ぶワインアワード、The 7th “SAKURA” Japan Women's Wine Awards 2020でダブルゴールドを受賞した逸品なのです。ビニャ ロス ヴァスコスは、ドメーヌ バロン ド ロートシルト ラフィット社が「チリにおけるプレミアムワインのパイオニアになる」ためにチリ中を探し探して見つけた、言わばダイアモンドの原石のようなワイナリーなのです。三方を山で囲まれたコルチャグア ヴァレーのカニェテン盆地は太平洋から約40キロメートル。盆地ですから昼間は温度が上がり、ぶどう生育に最適となります。夜は海からの冷気で一気に気温が下がりポリフェノールの生成が促進されたり、キレのある酸が保持されやすくなったりします。
ロス ヴァスコス シャルドネは自社畑の冷涼な地区と、チリ屈指の白ワインの優良生産地であるカサブランカの契約農家のぶどうを厳選して使用しています。果実のポテンシャルをそのまま活かすため、温度管理されたステンレスタンクで発酵し、熟成させています。青リンゴを思わせる爽やかさと、カスミソウやアカシアの白くほのかに甘い花を連想させる香り。シャルドネらしい芯のしっかりした、すっきり軽やかな辛口。キレのある酸味とミネラルの余韻が心地良いワインです。蕪と鯛のカルパッチョと合わせると蕪が非常に美味しく感じられました。
「ロス ヴァスコス シャルドネは、どのヴィンテージも共通して、清々しい緑っぽさがあります。それが蕪の純白の根に潜んでいる、緑の風味を引き出すんでしょうね」
「鯛の繊細な甘みを、上手に引き出すのは、樽を使わないシャルドネの得意技ですよね」
イチオシのヴェルメンティーノに引けをとらない素晴らしいマリアージュでした。

2nd

ロス ヴァスコス シャルドネ  

ロス ヴァスコス シャルドネ

チリ
ぶどう品種 シャルドネ

3位は登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州です。好調な日本ワインのけん引役である甲州種、それも登美の丘ワイナリーの自家ぶどう園のぶどうだけを使っています。甲州種は、諸説ありますが1000年にわたって日本で栽培されてきた言わば固有種です。今のジョージアあたりのヴィティス ヴィニフェラがシルクロードを通って伝わる間に、中国の棘ぶどうであるヴィティス ダヴィディと自然交配したものだと遺伝子解析から判っています。
マリアージュ実験に使った2018年ヴィンテージですが、9月以降に連続して発生した台風により、栽培家の頭を悩ました年です。でも、登美の丘のメンバーの頑張りにより素晴らしいぶどうを収穫する事ができました。ステンレスタンクで低温発酵したあとタンク80%、フレンチオーク樽20%で、5ヶ月熟成しました。樽は樽香を付けるのが目的ではなく複雑さを与えるために使いました。色は輝きのある黄色。洋梨や桃を思わせる香りと、スペアミントのようなハーブのニュアンスがあります。和柑橘を思わせる心地よい香りもあります。フレッシュで、それでいて穏やかな酸味と口中の凝縮感が調和しています。芳醇な味わいで、ほどよい渋味が味わいを引き締めています。
蕪と鯛のカルパッチョと合わせると、鯛の味わいが深みを増しました。鯛に柚子の皮をわずかに摺り下ろしたような爽やかな香りが奥行きを与えます。繊細な鯛の甘みを十全に引き出す素晴らしいマリアージュでした。

3rd

登美の丘ワイナリー 登美の丘 甲州<br>※フロムファームにブランド名が変わりました。

登美の丘ワイナリー
登美の丘 甲州
※フロムファームにブランド名が変わりました。

日本
ぶどう品種 甲州

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