今回の料理はポテトフィッシュロールです。じゃがいもと白身魚をマッシュにして、薄いパンでロール状に巻いたものです。今回は甘塩のたらを使いましたが、鯛やヒラメでも、もちろん美味しく出来ます。じゃがいもは皮をむいて一口大に切り、たらは皮と骨を取り、一口大に切って、にんにく、塩、ひたひたの水で湯がきます。じゃがいもが柔らかくなったら水分を捨てて、生クリーム、バター、こしょうを加え、フォークやマッシャーなどでつぶしながら混ぜ合わせます。ディルを加えてさっと和えたら中身の完成です。10枚切り位の薄切りの食パンに巻くのですが、耳は切り落として、麺棒などでのばしながら巻くと巻きやすいです。フライパンにバターを熱して、転がしながら全体にこんがりと焼き色をつければ出来上がりです。一口サイズで食べやすく、ワインパーティーのスターターにもぴったりです。試食してみると、芋の甘みと、たらの旨みとバターのコクが絶妙にマッチ、軽やかながら味わい深い一品です。
このポテトフィッシュロールにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォーでした。もちろん、マリアージュ実験の時に試飲したのは通常のボジョレーです。
ブルゴーニュには「9」のつくヴィンテージは優れているというジンクスがあるのですが、業界関係者からは、「ジンクスは今回も守られそうだ!」という評価が聞こえてきています。2019年は、4月4日から5日にかけての霜で、ボジョレーの北側のマコネーを中心に被害があり、量的には少ない年のようです。夏は暑い年でした。読者の皆様もニュースなどで記憶に有るかと思いますが今年7月25日、フランスの首都・パリの最高気温が72年ぶりに塗り替えられました。なんと42.6℃です。ブルゴーニュでも6月の終わりから7月にかけて猛暑となりました。「百年に一度と言われた2003年」もフランス政府の発表で8千人もの死者が出たと言われた猛暑でした。今年のヌーヴォーはどんな出来なのでしょうね。今年の解禁日は21日です、今から楽しみです。
ボジョレーとポテトフィッシュロールの相性はとても素晴らしかったです。じゃがいもの優しい甘さをボジョレーの豊かな果実味が押し広げて、複雑な味わいにしてくれる感じがしました。芋の素朴なコクでボジョレーサイドも旨みを増している・・・・・食べ物とワインが両方とも美味しく感じる、幸せなマリアージュでした。