この料理に合うワイン

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1st

マクウィリアムズ ソーヴィニヨン・ブラン 

マクウィリアムズ ソーヴィニヨン・ブラン

オーストラリア
ぶどう品種 ソーヴィニヨン・ブラン

今回の料理はロングバゲットサンドイッチです。30cmくらいに切ったバゲットにスパムなどの具材を挟んだ、豪快なサンドイッチです。サンドイッチは、皆様も良くご存知のパンなどの間に具材を挟んだり、乗せたりして食べる軽食です。サンドイッチの名前の由来には、有名な都市伝説的な逸話があります。イギリスの貴族、第4代サンドウィッチ伯爵ジョン・モンタギューが、無類のトランプ好きで、寸暇を惜しんでゲームをするために召使に命じて作らせた、というものです。しかし、この説は、この時代の英国政治学者の研究によって否定されているそうです。サンドウィッチ(Sandwich)は実際にイギリスのイングランド南東部ケントにある港町の名前で、サンドウィッチ&ペグウェル湾に面しています。人口は、7,000人足らずと小さな町ですが、中世の面影を残した風情のある町です。ジョン・モンタギューはこの町を領有していましたので、「サンドウィッチエリアの領主」として、サンドウィッチ伯という名前になりました。一方パンなどの間に具材を挟んだり、乗せたりする食べ方そのものは、パンが作られるようになった1万年以上も前の時代から、各々のエリアで、ごく早い段階で、偶発的に始まったと考えられています。その食べ方に何故サンドイッチの名前が当てられたのかは、謎なのです。

今回はそのサンドイッチを30cmもの長さで作ります。パンはバゲットで、具材のメインはスパムです。スパムは、元々はアメリカ軍が、軍事行動中に各兵員に配給する糧食として採用したことから広く一般に知られるようになった缶詰です。東南アジアの米軍基地のあるエリアで広く食べられます。SPAM(スパム)はアメリカのホーメル食品の登録商標で、同じような中身の缶詰は何種類も作られているようなのですが、スパムの名前は使えません。スパムは一見すると、コンビーフ(コーンビーフ)そっくりです。コンビーフ(コーンビーフ)はその名の通り、コーン(corned)=塩漬けした、牛(beef)ですが、スパムの素材は豚です。ソーセージの中身を腸詰にせずに、缶詰にしたものだと思っていただけるとわかり易いと思います。ハワイではスパムにぎりという名前のおにぎりが、コンビニなどで販売されています。日本では、沖縄でよく見かけ、スパムではなくポークと呼ばれる事も多いです。

今回のレシピでは、ソースをラズベリーと赤ワインで作ります。バターでラズベリーを炒めてから、赤ワインと砂糖を入れ半分くらいまで煮詰めていきます。最後にバターモンテ(バターを溶かし入れ乳化させる)します。

このロングバゲットサンドイッチにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはマクウィリアムズ ソーヴィニヨン・ブランでした。マクウィリアムズ社はオーストラリアでも非常に古いワイナリーの一つで、140年以上6世代にわたり家族経営を続けています。オーストラリアでも様々なコンクールでの受賞数が非常に多い事で知られるワイナリーなのです。マクウィリアムズのモットーは「ワイン産地の多様性や、ぶどう品種個々のキャラクターを活かした高品質なワインをつくる事にこだわる」です。1877年、創業者のサミュエル マクウィリアムがニューサウスウェールズ州のマレー川のほとりにぶどうを植えてから、マクウィリアムファミリーは、6世代にわたりワインメーカーを輩出し続けてきました。近代的なワイナリーで、プレミアムなワインをつくっています。「オーストラリア ワインコンペティション 2017」では、トップ5スターワイナリーの評価も受けました。マクウィリアムズでは、いろいろなブランドのワインをつくっていますが今日試飲したのは現地で「ハンウッドエステートワイン」と呼ばれるブランドで、ワインメーカーはステファニー・ルーカスです。彼女は2008年に西オーストラリア州のマーガレットリバーのエヴァンス&テートでワイン人生をスタートさせました。その後、カナダのオンタリオ州で修行、そしてそこで出会ったマクウィリアムズの6代目と一緒にニューサウスウェールズ州にやってきたのです。

マクウィリアムズ ソーヴィニヨン・ブランをグラスに注ぐと、柑橘系、特にグレープフルーツを連想させる爽やかな香りがします。アスパラガスの皮をむいた時のような、少し緑を思わせる心地良い香りもあります。口に含むと辛口で軽やかです。

出来上がったロングバゲットサンドイッチは、はっきり言って長いです。存在感は半端ないですよ。かじるとスパムの塩っぽさと、ラズベリーソースの甘さが絶妙にマッチしています。マクウィリアムズ ソーヴィニヨン・ブランと合わせると、マクウィリアムズの爽やかさが際立つ感じがします。

「良いコンビですね」

「ごつくて、長いですが、サンドイッチですから軽やかなワインのほうがバランス取りやすいですね」

「ルッコラと生の玉ねぎの独特な風味が、ソーヴィニヨン・ブランが持っているハーブのようなニュアンスと共鳴して、清々しくマリアージュしています」

「スパムの塩っぱさと豚肉の旨味を、マクウィリアムズが引き立てる感じですね」

迫力満点で、しかもワインに良く合うロングバゲットサンドイッチ、是非みなさまもトライしてみてください。マクウィリアムズ ソーヴィニヨン・ブランと良く合いますので是非お試しください。

2位に選ばれたのは、ジョルジュ デュブッフ ボジョレーです。ご存知の通りボジョレーの帝王ジョルジュ デュブッフ氏のワインです。品種はガメで、瑞々しく、フレッシュでフルーティなワインです。ボジョレー地方のすぐ南にはリヨンがあります。リヨンは都市圏としてはフランス第二の規模の大都市ですが、美食の都としても有名です。そのリヨンでは、豚肉や臓物系の料理も非常に多く食べられ、リオンで多く消費されるボジョレーはそういった食材と相性がとても良いのです。ロングバゲットサンドイッチの具材のなかでも、ラズベリーソースと引き立てあっているのが良くわかりました。ボジョレーに関して言うと、ワインにイチゴフレーヴァーのニュアンスがありますから、ソースをラズベリーではなくイチゴジャムで作ってみるのも面白いかもしれないのかなぁと思いました。

2nd

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー 

ジョルジュ デュブッフ ボジョレー

フランス
ぶどう品種 ガメ

3位には、イチオシと同じくマクウィリアムズ、そのカベルネ・ソーヴィニヨンが選ばれました。マクウィリアムズは数多くのブランドを持っており、マクウィリアムズ合計でも非常に多くの受賞歴があるのですが、この「ハンウッドエステートワイン」も1981年以来、24個のトロフィー、94個の金メダル、241個もの銀メダルを獲得しています。
マクウィリアムズ カベルネ・ソーヴィニヨンは黒スグリや熟れたプラムのような香り立ちです。ダークチョコレートやブラックベリーのニュアンスも感じられます。口に含むと充実した果実味と、なめらかなタンニンが楽しいワインです。ロングバゲットサンドイッチと合わせると、スパムの脂肪分と豚肉のコクとワインの力強いボディとが良く合っていました。スパムに使われているスパイス類とカベルネ・ソーヴィニヨンのスパイシーさとも良くマッチしていました。

3rd

マクウィリアムズ カベルネ・ソーヴィニヨン 

マクウィリアムズ カベルネ・ソーヴィニヨン

オーストラリア
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン

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