今回のレシピは、ひよこ豆のフムスです。日本では、「フムス」はひよこ豆を使ったディップの事をさしていますが、アラビア語では、ひよこ豆自体を指しています。ディップのほうの正式名称は、フムス ビッ・タヒーニです。どんな料理か簡単に言うと、茹でたひよこ豆とニンニクをペースト状にして、練りごまとレモンと塩で味付けをした料理です。レバノン、イスラエル、トルコ、ギリシア、パレスチナなどの中近東や地中海沿いの広い地域で食べられています。ヒヨコマメはマメ亜科の1年草で、和名の雛豆は、英語名のChickpeaを訳したものだと言われています。ガルバンゾ、エジプト豆、チャナ豆、チャナダールと言った名前でも販売されています。百科事典をひも解くと、ひよこ豆はペルシャ原産と記されていました。ペルシャは現在のイランを表す古名です。大変昔から育てられてきたのですが、古すぎていつ栽培が始まったのか、時期は不明のようです。大変栄養価の優れた豆で、たんぱく質やカルシウム、マグネシウム、カリウムが豊富で、脂質は少なめです。しかも不飽和脂肪酸が90%近く含まれていますので、健康に役立つスーパー食品です。乾燥した豆を購入したら、一晩戻す必要がありますが、最近では水煮にした缶詰やパック詰めが、通常のスーパーにも並ぶようになりましたので簡単に作ることができます。正式名称のフムス ビッ・タヒーニの「タヒーニ」は中東の練りごまです。最近ではネットで取り扱われるようになりましたが、日本の練りごまで美味しく作ることが出来ます。中東では、ピタと呼ばれる短時間発酵で薄く焼いたパンに付けるのが定番です。アメリカではライ麦パンとよく合わせます。
この、ひよこ豆のフムスにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは今年の3月に新発売されたばかりのフレシネ フレスカ ロゼでした。世界No.1*カヴァ メーカーであるフレシネ社から、新たな挑戦であるシャルマ製法 (タンク内二次発酵) のフレッシュなスパークリングワインです。フレシネ社はカヴァの造り手の第一人者として、「フレシネブランド」としては、今までずっと瓶内二次発酵にこだわってきました。昨今の世界的な「軽やかタイプのスパークリングワイン」の好調さをみて、新しいタイプに挑戦する事を決めました。創業した1861年から150年余りで初めての試みなのですよ。フレシネ社の看板商品であるコルドン ネグロは、厚みがあり複雑な味わいが持ち味です。新製品のフレシネ フレスカは、それとは対称的な爽やかさと親しみやすい味わいを表現しています。甘辛度は、食事に合わせ易い「やや辛口」に仕上げました。
フムスに合わせると、ひよこ豆とごまの風味が素直に広がります。豆の素朴な香りやごまの香ばしい香りがロゼのベリーのニュアンスと絡み合います。
「うん、フムス食べてるなぁ!っていう感じですね」
「ひよこ豆の自然な美味しさが引き立って、とても魅力的です」
「フレシネ フレスカ ロゼのわずかに感じる甘味が、豆の味わいを、より引き立てているのかなぁ・・・・」
その奥から、にんにく特有のコクのある香りが、ふんわりと立ち上がります。
「ひよこ豆の、ちょっと、ぽくぽくした食感を、ごまが滑らかに繋いでくれています」
ディップの、ねっとりとしたテクスチャーをフレシネ フレスカ ロゼの爽やかな泡がさらりと洗い流してくれて、また、もう一口食べたくなる感じです。
女性を中心に流行し始まっているフムスですが、ひよこ豆の水煮が手に入れば、とっても簡単に作れます。フムスとして定番のピタパンは、もちろん本家の美味しさですが、バゲットに乗せたり、食パンに挟んでサンドイッチにしても美味しいですよ。ピタパンも最近はネットでも販売されています。皆様も是非、フムスに挑戦してみてください。そしてフレシネ フレスカ ロゼとの素晴らしい調和をお楽しみください。
*The IWSR 2017 スペインスパークリング販売数量