この料理に合うワイン

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1st

サンタ バイ サンタ カロリーナ シャルドネ

サンタ バイ サンタ カロリーナ
シャルドネ

チリ
ぶどう品種 シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン

今回の料理はオイルサーディンと松の実と新玉ねぎのキッシュです。キッシュはドイツ語のクーヘンが語源といわれるアルザス・ロレーヌ地方の郷土料理です。ロレーヌのものはキッシュロレーヌと呼ばれ、特に有名で、16世紀ごろに誕生した料理だといわれています。キッシュ自体はその後、徐々にフランス各地に広がっていったようです。キッシュの基本形はパイ生地で型を作り、具材を入れ、更にアパレイユとチーズを入れて焼き固めるというものです。アパレイユは溶き卵、牛乳、生クリームなどを混ぜ合わせたもので、ちょうど茶碗蒸しの卵液のような感じです。現在では、キッシュは、フランスの各地にある、パン屋さんとお惣菜屋さんが合体したようなデリカテッセンには、ほぼ定番で置かれています。キッシュロレーヌの具材はベーコンや塩蔵の豚肉です。地中海地方のものはキッシュプロヴァンサルと呼ばれ、ラタトゥイユやズッキーニが入ります。牛肉のひき肉と黒オリーブが入るパターンもあります。ロワール河の中流域のトゥーレーヌでは郷土料理のリエットが入るキッシュトゥーレーヌがあります。現在ではフランス料理という堅苦しいポジションではなく、自宅でも、ありあわせの素材で自由に作るざっくばらんな家庭料理ともいえるでしょう。デリカテッセンでは、定番のキッシュロレーヌのほか、ベーコンとほうれん草、野菜たっぷりのキッシュプロヴァンサル、アンチョビポテトあたりをよく見かけます。今日は具材にオイルサーディンと松の実と新玉ねぎを使いました。オイルサーディンの、小振りながらしっかりと乗った脂と新玉ねぎの濃厚な甘味、松の実のちょっとクセのある香りがパリッとしたパイ生地と良く合っています。

このキッシュにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインは来月に新発売予定のサンタ バイ サンタ カロリーナ シャルドネでした。サンタシリーズは2015年の秋に発売されると、たちまちメガヒットになった、ピューマのアイコンが可愛いチリワインです。チリワインは2015年に、国別のワイン輸入量で初めて1位になりましたが、その後も勢いは衰えていません。先日発表された2017年の財務省貿易統計によると数量シェアで、なんと31%となり、2位のフランスの22%を大きく引き離しました。大人気なのですね。このサンタ バイ サンタ カロリーナ シャルドネは「あざやかに食卓を彩る」をテーマに製品開発されました。グラスに注ぐと、黄桃や熟した黄色いリンゴ、洋梨などを思わせる果実の香りがあります。ハチミツや甘いスイカズラの花のニュアンスもあります。まろやかな果実味と、滑らかな酸味、心地よいホロ苦さが特長の、ふくらみのある味わいの辛口白ワインです。既に発売されている緑のラベルのサンタ バイ サンタ カロリーナ ソーヴィニヨン・ブランはフレッシュな果実味があるイキイキとした酸味の爽やかなワインですので、好対照の味わいといえます。キッシュと合わせると、サンタ バイ サンタ カロリーナ シャルドネのリッチさとふくよかさとキッシュの豊かな味わいとが、お互いを高めあっています。特にパイ生地や生クリームの乳由来の美味しさが引き立ちます。

「バターの香りがクローズアップされる感じです」

「生地のちょっと焦げた感じとサンタが本当に良く合っています」

「松の実の個性的な香りともばっちりです!」

クセが強い食材とも、そつなく調和できる柔軟性があります。

「オイルサーディンとも、じょうずに折り合いをつけていますね」

「イワシなどの青魚は、白ワインと難しい・・・・と言うソムリエさんも多くいますが、このワインは美味しいですね。イワシの個性をうまく包み込んでいる気がします」

サンタ バイ サンタ カロリーナ シャルドネは様々な食材、個性的な味わい、香りとも、すんなりと馴染む「フードフレンドリー」なワインだと思いました。

ワイン会のスターターにも、夕食のメイン料理にもなるキッシュ、パイ生地があれば割と簡単に出来ます。皆様も是非お試しください。そしてこのサンタ バイ サンタ カロリーナ シャルドネとの絶妙の相性をお愉しみください。

2位に選ばれたのは、スクレ ド リュネス ピノ・ノワールです。スクレ ド リュネスを醸すマス ド リュネスのワイナリーはラングドックに位置します。総面積は、なんと1000ha!南仏特有の潅木地ガリグーが広がる中に、80haのぶどう畑があります。2013年にエコセールからオーガニックの認証を受けました。他のワイナリーからの病気や農薬などの影響がほとんどないので、有機栽培に取り組むには絶好の場所なのです。マス ド リュネスの「マス」とは南フランスの言葉で「大きな農家」 、「リュネス」は「月」という意味です。丘の上に広がるこの地は古くから月が美しく見えることで知られ、いつしかマス ド リュネスと呼ばれるようになりました。ぶどうからワインをつくり、オリーブからオイルを、そして羊を飼う。自然な循環型のオーガニックなワイナリーなのです。スクレ ド リュネス ピノ・ノワールをグラスに注ぐと色濃く熟した、さくらんぼのような甘く爽やかな香りがあります。フレッシュな酸味で、まろやかなタンニンが心地良く、まるでフルーツをほおばったような自然な果実味あふれるワインです。 キッシュと合わせると、オイルサーディンの味わいが引き立ちました。イワシらしいコクが前面に出てきて、スクレ ド リュネスと自然に調和する、そんな感じの相性でした。もちろん、生地のバターや松の実、チーズとピノ・ノワールのキメ細かなタンニンとも、とても良く調和していました。

2nd

スクレ ド リュネス ピノ・ノワール

スクレ ド リュネス
ピノ・ノワール

フランス
ぶどう品種 ピノ・ノワール

3位に選ばれたのはフォルタン リトラル グルナッシュ ロゼ、IGPペイドックのロゼワインでした。「リトラル」とは「沿岸」「沿海」のことで、フォルタン リトラルの場合、地中海沿岸を指しています。グルナッシュ100%で醸されたロゼでラベルには鯨の絵が描かれています。ただ、この鯨君、ちょっと顔つきが違います。太古の昔、セートの入り江には「イルカの鼻を持つ鯨」が棲んでいたと言う伝説があったそうです。セートの紋章にもこの鯨が描かれています。セートの街はこのワインの生産者であるフォルタン社が生まれ育った街なのです。現在ではSèteと綴りますが、1927年まではCetteと綴っていました。これはラテン語で鯨を意味するceteから来ているそうです。チェリーやラズベリーを連想させる香りに、ゆったりとした果実感と穏やかな酸味が心地よいロゼワインです。キッシュと合わせると、新玉ねぎの香りや甘味とばっちり合っていました。

3rd

フォルタン リトラル グルナッシュ ロゼ

フォルタン リトラル
グルナッシュ ロゼ

フランス
ぶどう品種 グルナッシュ

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