この料理に合うワイン

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1st

フレシネ セミセコ ロゼ

フレシネ
セミセコ ロゼ

スペイン
ぶどう品種 トレパット、ガルナーチャ

今回のレシピは、白身魚のパン粉揚げ タマリンドソース、タイ料理です。日本ではあまり耳慣れないタマリンドですが、タイでは欠かすことのできない食材です。マメ科、タマリンド属の常緑樹で、樹高は25mを超える樹もあります。食べる部分は実です。サヤに種と果肉の食べる部分が入っています。種は柿の種くらいの大きさで、もう少しごつごつしています。サヤは乾燥すると、もろい卵の殻のような感じで簡単に剥けます。種類によって入る種の数が変わるようで、4粒程度入っているものは巨大な枝豆かソラマメ、はたまた黄褐色のミシュラン坊やといった風情です。10粒くらい入っていてトグロを巻いているものもあります。タイではマカームと呼ばれています。大きく2つの種類があるようで、甘みの強いスィートタマリンドと酸味の強い普通のタマリンドがあります。スィートタマリンドは生で果物のように食べたり、デザートに加工されたりします。普通のタマリンドは干して種を取り除いて料理に使う事が多いです。普通のほうは干し柿を酸っぱくしたような味わいで、素朴な美味しさがあります。干して殻を剥いたものは、干し加減によって、干し柿くらいの色あいのものから、かなり色の濃い、黒糖のかりんとうくらいのものまであります。果肉部分をそのまま食べたり、料理に使ったりしますが太い繊維が多く含まれています。タマリンドの和名のチョウセンモダマは藻玉の事なんでしょうかね?日本では、そのまま食べる事はめったにないタマリンドですが、インドカレーに付いてくるチャツネには良く使われています。また、日本で販売されているウスターソースの原材料表示にもタマリンドの文字があるものもあります。今日はそのタマリンドを白身魚のパン粉揚げのソースに使います。今日の白身は鱈を使いました。一口大に切って、小麦粉、溶き卵、パン粉をつけて揚げます。ソースはにんにく、唐辛子を油で炒め、ナンプラー、ココナッツシュガーとタマリンドペーストなどを入れたら出来上がりです。甘酸っぱく、爽やかなソースです。

この白身魚のパン粉揚げ タマリンドソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはフレシネのセミセコ ロゼでした。フレシネの本社があるのはバルセロナ近郊のサン・サドルニ・ダ・ノイアです。この村は、瓶内二次発酵スパークリングワインであるカヴァの主要産地として知られています。人口12、600人、面積19平方キロメートルとそれほど大きくない村なのですが、ここだけでスペインの全カヴァの3/4が作られています。村人の10人のうち9人がカヴァ造りに携わっている、カヴァ造りに特化した村なのです。フレシネ社は1861年に、ここサン・サドルニ・ダ・ノイアで創業されました。フレシネ社のワイナリーはとても大きく、いろいろな展示物、お土産物屋さんなどがあります。事前に申し込んでおくと、見学ツアーに参加することができます。醸造所の中を遊園地のカートのような乗物に乗って、醸造設備や瓶詰めライン、地下深くにある巨大なセラーにも、連れて行ってくれるんですよ。夏休みなどにバルセロナに行かれる方は、サグラダファミリアやサッカーも良いですが、一度サン・サドルニ・ダ・ノイアのフレシネ社まで、お越しになりませんか?バルセロナの中心部から車で1時間程度です。セミセコ ロゼは黒ぶどうのガルナッチャとトレパットで醸された、深みのある色合いのロゼです。イチゴやさくらんぼを思わせる甘い香りと瓶内二次発酵スパークリングワインらしい香ばしいタッチがあります。口に運ぶと、ほのかな甘口で、酸とのバランスがとれた心地良いワインです。

白身魚のパン粉揚げと合わせるとサクサクのパン粉とセミセコ ロゼの香ばしさが上手くフィットしています。タマリンドソースを付けると、甘酸っぱい味わい同士でセミセコと良く合います。

「甘さのレベルがタマリンドソースとセミセコで合っているんでしょうかね?」

「甘さもだけど、酸同士がぴたっと合っているね」

「本当ですね、タマリンドの酸がワインと馴染んでいます。一般的に醸造酢などはワインと相性が悪いと言われていますが、これは違いますね」

「確かにそうですね。本当に自然な調和です」

実はタマリンドの酸は酒石酸とクエン酸なのです。酒石酸はほとんどのワインで最も多く含まれる酸なのです。また、クエン酸はレモンなど柑橘に多く含まれる酸で、「クエン」は漢字で書くと「枸櫞」で、レモンの別名なのです。果実系の酸味なのでワインとの相性が良いという訳なのです。

「ワインと合わせたい料理で酸味が欲しい時にはタマリンドは使い勝手が良いかもしれませんね」

「料理とワインを合わせると、両方が上がる、相性のとても良い組み合わせです」

これから、ますます暑くなってくると、甘酸っぱく、爽やかな料理が食べたくなります。そういう時には、白身魚のパン粉揚げ タマリンドソースとフレシネのセミセコ ロゼのナイスコンビを是非お試しくださいませ。

2位に選ばれたのはビオンタ アルバリーニョでした。このワインはスペインの大西洋岸で一番北に位置するリアスバイシャスのワインです。ぶどう品種はアルバリーニョ、スペインでも魚介類に合わせ易いぶどう品種として知られています。白身魚のパン粉揚げと合わせると、鱈のほろほろとした白身の旨みと良く合っていました。パン粉のほんのりと焦げた印象と良く調和するのは、このビオンタを貯酒する時にシュール リー(ステンレスタンクで、酵母の澱の上で熟成させる事)をするからかもしれません。その状態で貯酒する事で、酵母からトーストを思わせるような香りがワインに移り、複雑味も増すのです。鱈の質感とコクのある旨みをビオンタの辛口ながらしっかりとした味わいが受け止めていました。

2nd

ビオンタ アルバリーニョ

ビオンタ
アルバリーニョ

スペイン
ぶどう品種 アルバリーニョ

3位に選ばれたのもフレシネ、辛口の白の コルドン ネグロでした。カヴァの基本品種であるパレリャーダとマカベオ、サレーロ(チャレロ)から醸されます。フレシネを代表する銘柄で、長期熟成を行うことで知られるフレシネ社のラインナップの中でも、瓶内二次発酵後の熟成期間が18か月以上と長いのです。その熟成による酵母由来のトーストのような香りが豊かに感じられます。パン粉揚げの香ばしい香りと良く合うのはもちろん、 コルドン ネグロの複雑な旨みが鱈のコクと素敵なハーモニーを奏でていました。

3rd

フレシネ コルドン ネグロ

フレシネ
コルドン ネグロ

スペイン
ぶどう品種 サレーロ(チャレロ)、マカベオ、パレリャーダ

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