この料理に合うワイン

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1st

サンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルド

サンタ バイ サンタ カロリーナ
カルメネール/プティ・ヴェルド

チリ
ぶどう品種 カルメネール、プティ・ヴェルド

今回のレシピは、豚の生姜焼の赤ワインソースバージョンです。皆さんは肉と聞かれると何を思い浮かべられますか?牛ですか?豚でしょうか?それとも鶏でしょうか??独立行政法人農畜産業振興機構によると、2013年現在、日本人年間1人当たりの消費量は鶏12kg、豚12kg、牛6kgだそうです。1960年と比較すると、50年あまりで約10倍になったそうです。今回のレシピは豚の生姜焼です。豚はご存じの通り、イノシシを家畜化したものです。イノシシは北方真獣類、鯨偶蹄目イノシシ科の動物です。鯨偶蹄目と言うとあまり耳慣れない方が多いと思います。それもそのはず、以前はクジラ目と偶蹄目(ウシ目)に分けられていたのが最近統合されて鯨偶蹄目になりました。鯨偶蹄目に属する動物はキリン、シカ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、イノシシ、カバ、クジラ、イルカなどです。私たちが普通に食べる肉のほとんどがここに属している事が良くわかります。日本人は古来、イノシシや豚をずっと食べてきました。縄文時代は主にイノシシを、弥生時代は飼いならされた豚も食べていたようです。古墳時代にも豚は食べられていたようで、古事記には猪飼、猪養などの言葉が出てくるそうです。文明開化以前の日本には四足の動物を食べるイメージが無いかもしれません。確かに天武天皇が農繁期の牛馬を食べる事を禁じたり、仏教で肉食を遠ざけたり、徳川綱吉の生類憐みの令で動物の殺生を禁じたり、いろいろな出来事があって、肉食が廃れていそうな錯覚に陥りがちですが、日本人が豚を全く食べなかった時期はほぼ無さそうです。沖縄のアグーは1385年に伝わったという史実が記されていますし、19世紀の島津家の江戸屋敷では豚が飼われていたそうです。江戸時代の最後の将軍徳川慶喜も西郷隆盛も豚肉が好きだったそうです。今回はその豚を定番の生姜焼にします、ワインスクエアですからワインに良く合う赤ワインソースの豚生姜焼です。通常の生姜焼の色合いは、豚肉の焼き色から少し濃いくらいの色ですが、今回のレシピは赤ワインバージョンですから、かなり濃い色です。お皿からは豚肉が焼かれた心惹かれる香りと生姜の爽やかな香りがしてきます。食べてみるとソースの味わいが濃厚で豚肉のコクと良くマッチしています。

この豚の生姜焼の赤ワインソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはサンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルドでした。

サンタ バイ サンタ カロリーナ カルメネール/プティ・ヴェルド、長い名前です。「うーん、長くて覚えられない・・・・」と思ったあなた!安心してください、「サンタ ブラック」で大丈夫です!!

サンタ ブラックは最近絶好調のチリワイン サンタ バイ サンタ カロリーナの新製品です。品種はチリの主力品種であるカルメネールとボルドーでは補助品種であるプティ・ヴェルドです。プティ・ヴェルドは名前のとおり小粒=プティなヴェルドです。ヴェルド(Verdot)はラテン語のウィリディス(viridis)を語源に持つ「緑」を暗示していそうです。緑はイタリア語やスペイン語でverde、フランス語ではvertなのです。晩熟でスパイシー、強いタンニンの骨格を持つぶどう品種です。もちろんプティがありますからグロ・ヴェルド=大粒もあります。プティ・ヴェルドは晩熟であるが故に育てにくく、フランスでも1980年代の末には300haまで、栽培面積が減った時期がありましたが、近年高い品質に注目が集まり、栽培面積は急増しています。サンタ ブラックをグラスに注ぐと黒々と濃い色をしています。香りは色の濃いベリー、カシスやブラックベリーを思わせます。さくらんぼもあるのですが、日本の赤い佐藤錦のようなタイプではなくヨーロッパでよく見かける黒いさくらんぼの香りのイメージです。スパイシーなニュアンスやチョコレートのヒントもあります。口に入れると、果実味たっぷりです。色の割には、タンニンは柔らかく充実感のあるワインです。

豚の生姜焼 赤ワインソースと合わせると豚肉の旨みをサンタ ブラックがぐっと受け止めるのが判ります。

「すごく良くあっていますね」

「口の中に、ぱっとスパイシーさが広がります」

「ワインだけで飲んだ時には、スパイシーさも少しあるなぁ・・・って感じだったのが、豚と合わせるとぐっとスパイシーさが際立つよね」

生姜とサンタのスパイシーさとが共鳴するのか、確かにスパイスの要素を強く感じます。

「清涼感というのかな・・・・豚の生姜焼のような濃い味の料理でこの表現もどうかと思うけど、さっぱりしますね」

「豚の皮目の脂のかたまっている部分が、いつもの生姜焼の時より美味しく感じられます」

ソースに使った赤ワインとサンタ ブラックが、脂に、より旨みを与えている感じがしました。

素材としては白ワインにも赤ワインにも美味しい豚ですが、今日選ばれた3アイテムはいずれも赤ワインです。いつも食べなれた生姜焼ですが、赤ワインでソースをアレンジすると、味わいが変わります。赤を飲むのが決まっている日は、是非この豚の生姜焼 赤ワインソースを思い出してください。

2位に選ばれたのはブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール "ラ ヴィニェ"でした。ブシャール ペール エ フィス社の創業は1731年、今から285年も前の事です。現在の醸造責任者はフレデリック・ウェバー氏です。今年の2月に初めて来日しました。フレデリックはアルザスのワイン生産家に生まれ、ディジョンで醸造学を学び、ローヌで実地にワイン造りをしたあと、2002年にブシャールに入社しました。そしてフィリップ・プロのあとを継いで2013年から醸造責任者に就きました。彼にワイン造りのフィロソフィーを聞くと、当たり前の事ですが、と前置きをして、「ワイン造りで最も大切なのは良いぶどうを作る事です。丁寧に畑作業を行う事、そして収穫のタイミングがなにより重要です」と答えました。自社の畑だけで130ha、その他に契約栽培の畑で、ブシャールで畑を管理している所も沢山あります。その150区画を超える畑の最適の収穫のタイミングをどう判断するのかをたずねると、「まずぶどうを食べて味を確かめます。食べる事でヴィンテージの個性というかクセを確かめます。ブルゴーニュは標高や畑の向き、微気候に様々な違いがあります。それにより大まかな収穫の順番は決まっています。でも年により、どのエリアの熟すスピードが速いのか、年によって、標高の差が熟成に与える影響も微妙に違います。その大きな方向性をまずぶどうを食べて、つかむのです。そして、晴天が続いたら・・・雨が降ったら・・・気温が下がったら・・・あらゆる事態を想定して収穫の順番のイメージを作ります。収穫が近づいた区画は自分が毎日のように畑に行ってぶどうの味を確かめます」思わぬ所で雨が降ったりして、順番が想定と大きく変わったりする事は無いのかとたずねると「約30の畑に気象台を設置し、気象データを収集。にわか雨はもちろん地中の温度や湿度まで把握しているんだよ」と片目をつむりました。豚の生姜焼と合わせるとピュアでみずみずしい果実味が豚の濃い旨味と良くマッチしていました。

2nd

ブシャール ペール エ フィス ブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ ヴィニェ”

ブシャール ペール エ フィス
ブルゴーニュ ピノ・ノワール ”ラ ヴィニェ”

フランス
ぶどう品種 ピノ・ノワール

3位に選ばれたのは、オリジナル バルトン&ゲスティエ メルロ オーガニックでした。前回のイチオシに引き続き連続の入賞です。自然で優しいメルロの持ち味と赤いさくらんぼやプラム、ブルーベリーを思わせる素直な香りが豚肉の奥行きのある味わいと良く合っていました。

3rd

オリジナル バルトン&ゲスティエ メルロ オーガニック<br>※終売しました

オリジナル バルトン&ゲスティエ
メルロ オーガニック
※終売しました

フランス
ぶどう品種 メルロ

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