この料理に合うワイン

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1st

モマンドール ブリュット

モマンドール
ブリュット

スペイン
ぶどう品種 マカベオ、サレーロ(チャレロ) 、パレリャーダ

今回のレシピは、タイ料理の鍋です。タイは一年中暑いイメージがあるかもしれませんが、エリアや季節により気候はかなり異なります。一番南は赤道にかなり近く北緯6度、北部は北緯20度あたりまで広がっていて、北部と南部では大分状況が違います。季節は大まかに、雨期、乾期、暑期の3つがあります。乾期にあたる10月から2月の気温が一番低く、長袖が欲しくなるときもあります。そういうときには、タイの生姜である「カー」を多く使った料理や温まる鍋がよく作られるのです。今日のレシピでは主素材にきのこと鶏肉を使いました。スープのベースにはココナッツミルク、タイのカレーではよく登場する重要アイテムです。ココナッツミルクはヤシ科の単子葉類であるココヤシの果実から作られます。ココヤシは熱帯で多く栽培されており、ヤシ科で最も利用価値の高い植物とも呼ばれています。高くなると30mにもなり、天辺に大きな実がなります。その実の中に、ココナッツジュースと固形胚乳があります。固形胚乳を乾燥させたものがコプラで、一般的に菓子材料でココナッツとして販売されているものは、このコプラをすり下ろしたものです。ココナッツミルクは、このコプラをすり下ろしたものを弱火でコトコト煮込んでから裏ごししたものです。今回、きのこはココナッツミルクの色のイメージを活かす為、全部白いきのこにしました。具材のメインは手羽先と豚肉で作ったワンタンです。

このきのこと鶏肉のココナッツミルク鍋にテイスティングメンバーが推薦するイチオシワインはモマンドール ブリュットでした。モマンドール ブリュットはサントリーと世界一のスパークリングワインの生産者*であるフレシネ社とで共同開発した、昨年新発売の辛口スパークリングワインです。瓶内二次発酵ではなく、大きなタンクで二次発酵の泡を閉じ込めるシャルマ法を採用し、爽やかな柑橘系を思わせる香りを活かしています。グラスに注ぐと元気な泡が勢い良く立っています。レモンを連想させる爽やかな香りで、すっきりとした辛口で後口の良いスパークリングワインです。

鍋からはココナッツの濃厚さを伴った独特の香りが立ち昇ります。プリッキーヌ(タイの小さくて辛い唐辛子)の鼻と涙腺を刺激する香りと、こぶみかんの葉の清々しさと少し山椒に似た刺激のある香りもしてきます。レンゲでワンタンを口に運ぶと、豚肉の旨みとココナッツの濃厚さとが良く合っています。ここでモマンドールを一口飲むと爽やかさが広がります。

「爽やかですね」

「酸が効いていて、レモンを絞り込んだような清々しさが際立ちます」

「うん、口の中がさっぱりするから、また、ココナッツ鍋が食べたくなるよね」

はじける泡も「洗い流し効果」を高めるのに一役買っているようです。

モマンドールとはスペインのカタルーニャ語で「金のひととき」の意味です。寒い夜にココナッツミルク鍋とモマンドールで「金のひととき」を過ごしてみませんか?

 

* THE IWSR2015 SpainSparklingWine販売数量

2位に選ばれたのはフレシネ コルドンネグロでした。コルドンネグロはイチオシに選ばれたモマンドール ブリュットと同じフレシネグループのスパークリングワインで、瓶内二次発酵のカヴァです。フレシネ社は、1861年スペイン・バルセロナから南西に40km離れたカヴァの故郷であるサン・サドルニ・ダ・ノイアにあるラ・フレシネーダ(トネリコの 木という意味)と呼ばれる地にペドロ・フェラーによって設立されたワイナリーです。ペドロは13世紀から代々受け継がれた広大な土地に葡萄を栽培し、その生涯をカヴァ 造りに捧げました。スペイン市民戦争でペドロが亡くなった後、フレシネ社の経営は妻サラと息子ホセが引き継ぎ、シャンパンを含むスパークリングワインのカテゴリーでトップブランド*へと育て上げたのです。きのこと鶏肉のココナッツミルク鍋と合わせると、コルドンネグロのコクと旨みがぐっと前面に出てくる感じがします。野菜の素材が持つ自然な甘み、鶏のジューシーな旨み感を更に高めていました。同じフレシネのスパークワイン同士なのですが、爽やかさのシャルマ法とコクの瓶内二次発酵とで、異なるパターンで合っていて面白かったです。

* THE IWSR2015 SpainSparklingWine販売数量

2nd

フレシネ コルドン ネグロ

フレシネ
コルドン ネグロ

スペイン
ぶどう品種 サレーロ(チャレロ)、マカベオ、パレラーダ

3位に選ばれたのは、ウィリアムヒル ナパ ヴァレー シャルドネでした。ウィリアムヒル エステーツはナパの南部のシルバラードにあります。1972年ビル ヒルにより創設されました。醸造所の建物はとてもモダンで、ワインのラベルが醸造所の屋根に模られています。ワインメーカーはマーク ウィリアムズ。彼はカリフォルニア州立大学フレズノ校でワイン醸造学を学び、その後、カリフォルニア州立大学デービス校の栽培学の教授であった父親の元で栽培を学びました。マークのワイン造りのフィロソフィーは「我々の象徴であるフルボディなスタイルで表現力豊かなワインを世に送り出して行く事」です。ナパ ヴァレー シャルドネは、まさにそのフィロソフィー通りのワインです。リッチで芳醇な口当たりで長い余韻が感じられます。完熟したトロピカルフルーツのニュアンスがあり、少し焦がしたカラメルのような甘いタッチやトースト香が口の中に広がります。ココナッツミルク鍋と合わせると、鍋の芳醇な味わいと完熟シャルドネの厚みとが絶妙にマリアージュしていました。リッチな樽香とココナッツも、似たもの同士で素敵なハーモニーを奏でていて心地良かったです。

3rd

ウィリアムヒル ナパヴァレー シャルドネ

ウィリアムヒル
ナパヴァレー シャルドネ

アメリカ
ぶどう品種 シャルドネ

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