この料理に合うワイン

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1st

ソラール ビエホ レセルバ

ソラール ビエホ
レセルバ

スペイン
ぶどう品種 テンプラニーリョ、グラシアーノ

今回のレシピは、牛ほほ肉の赤ワイン煮です。冬は煮込みが食べたくなる季節です。皆さんは牛の煮込み料理というと何を思い浮かべられますか?牛もつ煮込みでしょうか?それともビーフシチューでしょうか??フランスのレストランでビーフシチューを頼むと、ちょっとびっくりします。日本のビーフシチューのイメージと違うからです。日本の一般的なイメージは市販のルーの箱に印刷してある写真のような感じではないでしょうか?ルーの箱の裏に書かれているレシピどおりに作ると、ちょうどカレーくらいの水分と具材のバランスです。汁気が多めで肉や野菜がかなり液体に覆われている状態です。フランスのものは全然違っています。赤黒く煮込まれた牛肉の塊がごろり、まわりに一緒に煮られた、にんじんとかペコロスが置かれます。肉の下に煮汁が煮詰められて、ちょっとだけ敷いてある感じ・・・・液体はかなり少なく、シチューというよりソースが添えてある感じです。英仏辞典でbeef stewを調べると、Boeuf en daubeと並んで、Boeuf Bourguignonが上位に出てきます。自分が頼んだ料理がブッフ ブルギニヨン(フランス・ブルゴーニュ地方の郷土料理)だと思えば、全く違和感はありませんが、ビーフシチューと言われると日本人には、ちょっと違和感があると思います。ブッフ ブルギニヨンでよく使われる部位は牛すね肉や牛ほほ肉です。旨みはあるのですが、かたいところが多いです。今回の牛ほほ肉の赤ワイン煮も3時間煮ました。ブッフ ブルギニヨンのイメージですが煮込みに使ったワインはピノ・ノワールではなくシラーズです。

この牛ほほ肉の赤ワイン煮にテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはソラール ビエホ レセルバ、スペインのリオハのワインでした。リオハはスペインにとって、特別な場所です。2009年にプリオラートが昇格するまで、スペインで唯一無二の最高ランクであるD.O.Caのワインでした。ヒュー ジョンソン氏のワールド アトラス オブ ワインの第6版には、リオハの紹介に、「かつてスペインの高級ワインを独占していたエリア」と記されています。リオハが唯一無二の産地になれたのにはぶどうの宿敵「フィロキセラ」が大きく影響しています。1863年にフィロキセラがアメリカからフランスに侵入、またたく間にフランスの有力産地を荒廃させました。巨大なワイン産業が崩壊したのです。1867年頃には高い技術力をもったフランスの栽培家や醸造家がフランスを捨ててスペインに移住し始め、スペインのワイン造りの水準を一気に引き上げたのです。その後、フィロキセラがスペインに渡ってきた時には既にフランスで抜本的対処法である接木の技術が確立していて、スペインでは大被害にはなりませんでした。フランスでワイン産業を壊滅させたフィロキセラが、スペインではワイン産業を育んだのです。フランスから移住して来た技術者達は主にリオハ、ペネデス、バレンシアの3箇所でワイン造りに取り組みました。出来たワインをボルドーやロンドンに輸出するには、ペネデス、バレンシアからはイベリア半島とアフリカ大陸が接近しているジブラルダル海峡を通らねばなりませんでした。ジブラルダル海峡は当時イギリス海軍に占拠されていて、そこを通るためには莫大な通行税を支払わなくていけなかったのです。一方、リオハからはワインの集積地であるアロからビルバオ港に、鉄道が開通したばかりでした。この、北に抜ける鉄路を使えば、ジブラルタル海峡を通らず輸出が可能だったのです。この地の利がリオハの優位性を決定的なものにしたのです。リオハのワイン産業は栄えに栄え、1926年10月26日には国に先がけ、リオハ地方が原産地保護の統制委員会を設置しワインの品質保持も図りました。そういった努力もあり、リオハは100年以上もスペインで唯一無二の存在であり続けたのです。ソラール ビエホ レセルバは色濃く、熟成によるオレンジ系の色合いが見て取れます。香りは複雑で、ベリーなどを連想させる香りや、スパイスや皮、バルサミコなどを思わせる香りもあります。バニラやカラメルなどアメリカンオーク由来と考えられる香りも豊かで、味わいに甘やかさや柔らかみのあるワインです。

お皿に盛られた牛ほほ肉の赤ワイン煮から牛肉の旨みを伴った香りがしてきます。口に運ぶとソースの濃厚な味わいが口に広がります。肉を噛むと肉汁とコクが口一杯に広がります。そこへソラール ビエホ レセルバを一口・・・・

「旨い!!」

ソースも肉も旨みが凝縮されていて濃いのですが、ソラール ビエホ レセルバはがっちりそれを受け止めています。

「なんか、赤ワイン煮とワインが馴染んでますね」

「煮込むのに効かせているスパイスとリオハの樽香がぴったりなんだよね」

「そうそう!クローブとアメリカンオークの風味が絶妙です」

「ソラール ビエホの良く熟した果実味とソースも良くマッチしています」

時間のかかる煮込み料理ではありますが、寒いこの季節、無性に食べたくなる時があります。お作りになる時には、是非リオハの長熟ワインのソラール ビエホ レセルバと試してみてください。

2位に選ばれたのはサンタ カロリーナ カベルネ・ソーヴィニヨン レセルヴァでした。サンタ カロリーナは、1875年の創業のチリの名門です。ワイナリー名は創設者ルイス ペレイラ氏の夫人の名前に由来します。2005年から品質の革新に向け大型投資を進めてきたサンタ カロリーナ、成果は品質に表れています。レセルヴァシリーズは、チリの銘醸地コルチャグアヴァレーの葡萄を100%使った逸品です。カベルネ・ソーヴィニヨンらしい骨格と力強さがありながら、果実の凝縮味にあふれる赤ワインです。牛ほほ肉の赤ワイン煮と合わせると、かたく、逞しいワインの中心部分が、すっとほぐれます。ちょっと他人行儀でよそよしい感じだったワインが柔らかく、ぐっと親しみが持てる印象に変わりました。

2nd

サンタ カロリーナ カベルネ・ソーヴィニヨン レセルヴァ

サンタ カロリーナ
カベルネ・ソーヴィニヨン レセルヴァ

チリ
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン

3位に選ばれたのはヤルンバ ワイ シリーズ シラーズ/ヴィオニエでした。ヤルンバ ワイ シリーズのワイはヤルンバのYであるとともに、あなたのワイン(Your Wine)のYでもあります。オーストラリアを代表する黒ぶどう品種であるシラーズ 94%に華やかな香りを持つヴィオニエ を6%混嬢しています。ブラックチェリーやブルーベリー、スミレの花を連想させる華やかな香りに、ローストした肉と黒胡椒のニュアンスがあります。フレッシュな果実味と、なめらかな酸味、キメ細かなタンニンを持つ、しなやかでエレガントな味わいのワインです。煮込む時にたっぷり使ったスパイス類とシラーズの黒胡椒を連想させる独特のニュアンスが良くマッチしていました。ほほ肉の柔らかみのあるゼラチン質とシラーズのキメ細やかな滑らかなテクスチュアとも良く合っていました。

3rd

ヤルンバ ワイ シリーズ シラーズ/ヴィオニエ

ヤルンバ ワイ シリーズ
シラーズ/ヴィオニエ

オーストラリア
ぶどう品種 シラー、ヴィオニエ

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