今回のレシピは、チーズフォンデュです。フォンデュはスイス、フランス、イタリア北部の料理でチーズフォンデュが有名ですが、他にオイルフォンデュやスープフォンデュなどもあります。フォンデュという言葉はフランス語で「溶かした」が語源といわれていますので、まずは、チーズフォンデュがあって、後から同じ「鍋」という事でオイルフォンデュなどが出来たと推測されます。チーズフォンデュは白ワインやキルシュワッサーでチーズを溶かし、パンなどに絡めて食べます。チーズは、複数のチーズをブレンドしますが、どのチーズを使うのか、またその配合比率は、とか、どんなタイプのワインを使うのかなどは村々、家々で違い、秘伝だそうです。今回は定番のグリュイエールとエメンタールチーズに、ウォッシュタイプのルクロンも使いました。ルクロンはフランス、フランシュ・コンテ地方の牛のチーズでウォッシュにしてはクセの少ないチーズで見た目も白カビチーズかな?と思わせる、大人しいたたずまいです。チーズを溶かす白ワインはシャルドネを使いました。とろり、とろけた鍋にカリカリにしたフランスパンを浸していただきます。カリっとしたパンと柔らかみのあるチーズのコントラストが楽しいです。
このチーズフォンデュにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはオックスフォード ランディング カベルネ・ソーヴィニヨン/ シラーズでした。オックスフォード ランディング エステートは1849年創業のヤルンバ ワイナリーの弟分です。ヤルンバ ワイナリーは160年あまりにわたって家族経営を続ける老舗でオーストラリアのワイン産業の中心地である南オーストラリア州バロッサ ヴァレーにあります。チーフ ワインメーカーはルイーザ ローズ、女性醸造家です。オックスフォード ランディング エステートはヤルンバ ワイナリー創業者のひ孫が1958年にマレー川の流域で新たに開設したワイナリーです。こちらのワイナリーも既に半世紀の時を経ています。オックスフォード ランディング カベルネ・ソーヴィニヨン/シラーズはカベルネ・ソーヴィニヨン 90%、シラーズ 10%のブレンドです。ブラックチェリーやカシスを連想させる香り、シラーズらしい黒胡椒のニュアンスもあります。まろやかな果実味とやさしい酸味があり、やわらかで滑らかなタンニン。みずみずしさとスパイシーさが程よく調和するミディアムボディの味わいです。チーズフォンデュと合わせると、オックスフォード ランディングの良く熟した果実香が強調されました。
「自然な果実の香りが心地良いです」
「ワインの香りも良くなるんだけど、チーズの香りも良く判ります」
「このフォンデュ、普通のフォンデュよりもコクが有りますね!」
「ウォッシュが入っているからだろうね」
「3種類のチーズのそれぞれの輪郭が、ワインと合わせた時のほうが、よりくっきりとする感じですね」
カベルネ・ソーヴィニヨンの骨格の大きさとチーズのコクがうまくバランスしていました。
これから、どんどん寒さが増す時期です、体の芯から暖まるチーズフォンデュとオックスフォード ランディングのマリアージュ、是非お楽しみください。