今回のレシピは、ポークリエットです。リエットはフランスのロワール地方の料理で、主に豚のバラ肉や肩肉をラードでゆっくり煮て肉の繊維をほぐした保存食です。フランスではお肉屋さんの多くが、自分の店のオリジナルリエットを作っています。店ごとに、味わいが微妙に違っていて楽しいですよ。スーパーマーケットの棚にも本当に沢山のリエットが、瓶詰や缶詰で並べられています。代表的な産地としてはトゥール、ル マン、アンジュなどがあります。ル マンのリエットである「リエット デュ マン」は肉の繊維を細かくほぐして、口当たりなめらかなタイプが多く、トゥールのリエットである「リエット ドゥ トウール」は少し荒めに、ざっくりと、ほぐしてあります。アンジュのエリアのリエットである「リエット ダンジュ」は色が濃いことが多いです。素材も様々で、ウサギ、ガチョウ、鴨などでも作られます。魚のリエットもありますが、少数派です。日本では、ネットで検索すると豚のリエットよりもサケ、カニやホタテなどのリエットの方が数多くヒットして、ちょっと不思議な気分になります。今回は豚バラ肉で作ります。保存が効くので、レシピの分量は、いつもの2人分のイメージよりも多くなっています。にんにくを二つ割りにして炒めます。玉ねぎとセロリも炒め、さらに豚バラも炒めます。白ワインを加えて、ハーブ、スパイスを加えて煮ていきます。煮汁がなべ底1cmくらいになるまで、ゆっくり、じっくり、3時間くらい煮詰めていきます。ハーブを取り除いてバター、ナツメグをいれて、つぶすと出来上がりです。リエット ドゥ トウール的な、少しざくざくした食感がお好みだったら、マッシャーで軽くつぶし、リエット デュ マン的な、なめらかなタッチがお好きであればフードプロセッサーを使っても良いです。
このポークリエットにテイスティングメンバーが推薦するイチオシワインはジョルジュ デュブッフ ボジョレー ヌーヴォーです。実験の時には当然ヌーヴォーはありませんのでボジョレーで相性を確かめました。2015年のボジョレーは「ボジョレーの帝王 ジョルジュ デュブッフ氏」が、「我がワイン人生最良の年」と評しています。期待出来そうですね!
デュブッフさんから醸造時のコメントが届きました。
色は濃く、艶やかな色合い。香りはブラックベリー・西洋スモモ・完熟したチェリー等「黒い印象の果実」の弾ける様な香りが心地よい。口当たりなめらかでシルキーな味わい!という飛び切りの評価です。
帝王=ジョルジュ デュブッフ氏がワインに携わって72年間、その生涯最高かもしれない2015年ヴィンテージのボジョレー ヌーヴォーは11月19日に解禁を迎えます。これを見逃す手は無いですよね!!そして、その特別な年のヌーヴォーには、このリエットを!!それも、カリッと焼いたバゲットにたっぷり塗ってお試しください!!
また、このリエットは、もともと保存食ですから冷蔵庫で1週間は楽勝に保管できます。これからパーティーも多いシーズンです。パーティーのスターターにも最適ですし、幅広いワインに良く合いますのでワイン会にもぴったりです。時間は掛かる料理ですが、さほど手間ではありません。一度挑戦してみてください。