今回のレシピは、サーモンのロースト メープルシロップとオレンジとローズマリー風味です。サケはサケ目サケ科の魚です。サケ科の魚にはベニザケ、ギンザケ、ニジマス、シロサケ、サクラマスやキングサーモンと呼ばれるマスノスケなどがいます。親が川を遡上し産卵、春になって子供が海へと下り、海で大きくなります。北海道、本州の川に遡上してくるサケは、ほとんどシロサケで、市場で単純にサケとだけ書いてある魚は、このシロサケである事が多いです。ベニザケは塩ジャケではお馴染みですが、日本には、ほとんど遡上してきません。サケ科の仲間には一部の子供が海に下らずに成魚になるものもいます。これを陸封型といい、海に下るものは降海型と呼びます。ヤマメはサクラマスの陸封型です。最近、魚市場やスーパーでニューフェィスのサケをよく見かけるようになりました。「お刺身サーモン」や「アトランティックサーモン」などです。アトランティックサーモンはノルウェーなどで養殖されたタイセイヨウサケ属の魚で大赦色の身に白っぽい線がはっきり見える事が多いです。お刺身サーモンはチリやタスマニアで養殖されたニジマスである事が多くトラウトとも表示されています。日本で養殖のニジマスというと、湖で養殖した25cmくらいの小さな魚を想像しますが、海で養殖すると大きくなります。日本でも青森で海でのニジマス養殖に取り組んでいる方がいらっしゃるようです。今回は海で育てたニジマス=トラウトでサーモンのロースト メープルシロップとオレンジとローズマリー風味をつくりましたが、シロサケやアトランティックサーモンでも、当然美味しく作れます。サーモンはオレンジの果汁とメープルシロップにローズマリーをいれた漬け汁を作り、2時間ほどマリネします。200度のオーブンに15分、マリネ液は煮詰めてソースにします。
この料理にテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはオックスフォード ランディング ヴィオニエでした。オックスフォード ランディング エステートは1958年にマレー川の流域で新たに開設されたワイナリーです。ヴィオニエは北ローヌに原点を持つ品種で完熟するのが難しい品種です。なかなか完熟しない品種ではありますが、完熟した時には、本当に素晴らしく、桃やプラムを思わせる豊かで華やかな香りを持ちます。オックスフォード ランディング ヴィオニエは熟した黄桃や杏を連想させる柔らかで甘い果実の香りに、オレンジマーマレードや白胡椒のニュアンスがあります。果汁があふれ出すようなたっぷりとした果実味と、穏やかな酸味を持つ、まろやかな味わいの辛口ワインです。なんと、今回はテイスティングメンバー全員がヴィオニエをベストマリアージュに推しました。サーモン ローストの素材からくる旨味と脂身の甘みがソースのメープルシロップとオレンジの複雑な甘みとヴィオニエの華やかな香りが絶妙にマッチしていました。
「旨味の強いサーモンに甘みの強いソースですから、並みの辛口では太刀打ち出来ない感じですよね。それが、このヴィオニエは、がっちり受け止めています」
「魚のローストと甘いソースって意外な取り合わせだと思いました」
「和食の煮魚も結構甘いけど、違和感ないですよね、その感じですよ」
「オレンジの風味とヴィオニエが良く合います!」
「このヴィオニエは黄色い果物の香りの印象が沢山あるからね」
「ワインの、ブドウの完熟から来る自然な甘みとメープルシロップもとっても良い感じです」
サーモンを少し甘いオレンジとメープルシロップのソースと組み合わせる新しいレシピと絶妙に合ったオーストラリアのヴィオニエのマリアージュ、是非お試しください!!