今回のレシピは、スタッフドマッシュルーム、簡単に作れてワインにとても良く合うレシピです。マッシュルームと英語で言う場合、どちらかと言うとマッシュルームそのものより、キノコ類全般を指しているようです。しかし、日本でマッシュルームと呼ぶ時は通常、まあるいベレー帽が可愛らしいツクリタケ自体の事を指します。担子菌門ハラタケ科のキノコで、香りはそれほど豊かではありませんが、味わいは素晴らしいです。市場では大きく2色のマッシュルームを見かけます。白系と茶色系です。白系は真っ白なホワイト種とオフホワイト種、クリーム種に分かれるようです。茶色いブラウン系の方が味は濃い気がします。旨味成分の多いキノコで文部科学省の日本食品標準成分表によるとグルタミン酸は生椎茸とほぼ同等、グアニル酸は日本食品標準成分表には掲載が無いので数字までは判りませんでしたが、かなり豊富に含まれています。今日はそのマッシュルームを使ってワインに良く合うおつまみを作ります。ベーコン、パルミジャーノチーズ、パン粉、オリーブオイルを混ぜ、マッシュルームの石突の部分に詰めてトースターで焼くだけです。簡単ですが、これでワインに良く合う絶品のおつまみが出来上がります。
このスタッフドマッシュルームにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはバルトン&ゲスティエ グラーヴでした。バルトン&ゲスティエ社は1725年創業の、ボルドーで最も歴史ある生産者のひとつで、アイルランド出身のトーマス・バルトン氏がボルドー市内でワイン販売会社を設立したのが始まりです。トーマス氏の孫であるヒュー・バルトン氏の時代に、フランスの貿易商ダニエル・ゲスティエ氏とパートナーシップを結び、ネゴシアンを設立しました。ヒュー・バルトン氏はネゴシアンだけでなくシャトーの直接経営にも乗り出しており、1821年にランゴアを、1826年にレオヴィルを購入し、その後1855年のメドックの格付でレオヴィル・バルトンは第2級、ランゴア・バルトンは第3級に選ばれました。その後、現在まで営々とバルトン家が経営し続けています。ヘッドワインメーカーはローラン・プラダ氏。シャンパーニュ地方をはじめラングドック、マルゴー、そしてサンテミリオンで多くの経験をつみました。バルトン&ゲスティエ グラーヴはボルドー市の南に位置するグラーヴ地区の小石(フランス語でグラーヴ)の多い土壌で育てられたソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを使いました。ソーヴィニヨン・ブランの素直で爽やかな香りとセミヨンの力強い骨格とがうまく調和したワインです。
スタッフドマッシュルームと合わせると、ベーコンの燻したニュアンスとソーヴィニヨン・ブランのスモーキーなタッチが良く合っていました。パルミジャーノやマッシュルームのたっぷりとした旨味成分がワインの味わいをより奥行きのあるものにしてくれていました。
「このスタッフドマッシュルームは赤、白、スパークどれとも良く合います。タイプを選ばないおつまみですね」
「それも、ワインをワンランク美味しく感じさせてくれる、ワイン好きには堪らないパターンですよね」
「旨味成分満載ですからね!マッシュルームからグルタミン酸、グアニル酸、パルミジャーノからはグルタミン酸、ベーコンからはイノシン酸、まさに旨味成分てんこ盛りです」
簡単に出来てしかもワインを美味しくする絶品おつまみ、皆様も是非挑戦してみてください!