今回のレシピは、豚のコンフィ マンゴーサルサソースです!コンフィはフランスの料理用語で、大きく分けて肉料理と果物料理の2種あります。肉料理のほうは動物性の脂で加熱します。揚げるほどには高温にせずに60℃~70℃くらいの低い温度を保って火を入れていきます。もともとは保存性を高める為の調理法で、フランス語のconfire(コンフィール)には保存するという意味があります。湯がくのと違ってお湯の中に旨味が逃げませんし、揚げるのと違って肉質が柔らかく仕上がります。今回はソースにマンゴーを使ったサルサソースにしました。この豚のコンフィ マンゴーサルサソースにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはファミーユ カステル メルロでした。ファミーユ カステル メルロは「ヴァン ド フランス」=「フランス産の地理的表示の無いワイン」です。かつてフランスでは地理的表示の無いワインをヴァン ド ターブルという名前で呼んでいてヴィンテージや品種の表示を禁じていました。欧州では欧州域内の総合力を上げるため1952年の欧州石炭鉄鋼共同体をスタートとし欧州連合=EUを導入してきました。「一つのEU」、域内の人の出入りや物の出入りを自由にする事で欧州経済を活性化しようとする試みです。その一環としてワインにおいてもEU域内それぞれの国でばらばらだったワイン法の考え方を統一する方向で修正する取り組みが行われてきました。それに従ってフランスでも2009年8月1日から大改訂が行われていて、地理的表示の無いワインでもヴィンテージやぶどう品種を表示する事が可能になりました。ファミーユ カステル シリーズはその法律改訂にあわせてカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シャルドネの3品種をヴァン ド フランスとして製品化しました。醸造長はセドリック・ジュナン氏。「世界中の多くの人々に、様々なシーンで、フランスを代表する三大フレンチヴァラエタルを楽しんでいただきたい!」という思いで醸されました。メルロはフランス国内で最も広く栽培されている品種で、フランス全土で114,000ha栽培されています。ワイン生産量世界一のイタリアでの栽培面積トップ品種がサンジョヴェーゼなのですが、約半分の60,000haである事を考えると、メルロの栽培面積の巨大さが判ります。ファミーユ カステル メルロは完熟ぶどうの持つ、程良い厚みと心地良い酸味とが絶妙なワインです。豚のコンフィ マンゴーサルサソースと合わせるとコンフィに閉じ込められた柔らかみのある豚の旨味とメルロの丸みのある味わいとがよくマッチしていました。マンゴーのたっぷりと熟した甘みとファミーユ カステル メルロの充実した果実味のコンビネーションも大変心地良かったです。
「豚肉はフルーツとの相性が良いですよね」
「好き嫌いはありますが、酢豚にパイン缶の組み合わせですね」
「豚肉の本質なのですかね」
「しかし柔らかく仕上がっていますねぇ」
「肉の繊維がほぐれる感じで、ジューシーな旨味がしっかり残っています」
これがコンフィの特徴です。煮る時間が3時間、その前に一晩肉を漬け込むという時間のかかる料理ではありますがIH調理器の保温機能を使うと、比較的簡単に出来上がります。脂で固まった状態で冷蔵庫なら2週間ほどは保存できますので作り置きができます。ワイン会の一品や、準備時間がとれなさそうな夕食のメイン用などに、皆様も是非作ってみてください。