今回のレシピは、ブロッコリーとドライフルーツのコールスローです。コールスローの「コール」の語源はキャベツだから、キャベツ以外のコールスローは邪道だ!と、お考えの方もいらっしゃるとは思いますが、現在では様々な素材でコールスローが作られています。今日はワインに良く合う、ブロッコリーとドライフルーツのコールスローのレシピをご紹介します。ブロッコリーはアブラナ科アブラナ属の植物です。アブラナ属には食用にされる野菜が沢山ふくまれています。キャベツ、メキャベツ、ケールはブロッコリーに、ごく近い親戚です。小松菜や蕪、野沢菜はほんの少し遠い親戚、なんと!ザーサイもアブラナ属の植物なのですが、かなり遠縁のおじさんって感じでしょうか。ドライフルーツは今回、ドライクランベリーを使いました。クランベリーは北半球のかなり寒いエリアの湿地帯に生える背の低い樹木でツルコケモモ亜属です。クランベリーCranberryのCraneは鶴です。雑食性の鶴はこの果物を好む事からクランベリーの名前がついた、という説もあるようです。アメリカの東部に位置するニューイングランド州ではクランベリーの栽培が盛んです。このエリアではクランベリーを収穫するのに畑に水を張り、浮かんできたクランベリーを網で収穫します。広大な畑が水没しその水面が真っ赤なクランベリーの色に染まるのはとても幻想的な光景だそうです。このクランベリー、ドライフルーツにしても色が美しく、キレのある酸味があり、甘すぎません。
マリアージュ実験のときは、通常16種類のワインとの相性を確認します。テイスティングメンバーの前にずらーーーーっとグラスが並ぶのは、なかなか壮観な光景です。テイスティングメンバーは、このブロッコリーとドライフルーツのコールスローに次々とワインを合わせていきます。酸味があるコールスローなのですが、どのワインも、それなりに美味しく感じます。
「酢の酸味ってワインを邪魔する事が多いですが、このコールスローはワインに合いますね」
「この酸味は穀物酢では無いですよね?」
「はい、レモン汁をつかいました」
「なるほど・・・」
テイスティングが進んでいきます。
そしてテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはタヴェルネッロ ロッソ イタリアでした。タヴェルネッロ ロッソ イタリアを醸すカヴィロ社はイタリア全土に及ぶ41の農業協同組合が共同で出資した会社で、創立は1966年。2014年現在の所有畑面積は31,000haを誇ります。タヴェルネッロの名前は「小さな居酒屋」を意味するイタリア語で、30年以上も愛されているワインブランドです。イタリアワインで販売量No.1*1の世界中で親しまれているイタリアのデイリーワインブランドです。
ワインをグラスに注ぐと、可愛らしい明るい赤色で、さくらんぼを連想させる香りがあります。口に含むとフルーティーさが広がる飲みやすいワインです。
コールスローと合わせます。ブロッコリーの緑っぽく、少しほっくりした香りとタヴェルネッロ ロッソ イタリアの活き活きとした味わいが良く合います。たっぷり入っているドライクランベリーが一緒に口にはいるとタヴェルネッロのフルーティーさが際立ちます。
「緑の野菜のサラダって、合わせるのは白ワインのイメージでしたが、タヴェルネッロは合いますね」
「ワインが軽やかだから、こういう料理には使い易いです」
「ドライフルーツがポイントかもしれません」
「クランベリーの赤って、アントシアニンなんですよね、ワインと共通性があるのかなぁ」
「炙ったクルミもワインとの繋ぎ役になっている気がします」
ワインに良く合うサラダです。一度試してみませんか?
*1ドクサ社 ワインブランド認知率調査 2013年に基づく