今回のレシピは、魚介のトマト鍋です。トマトはナス目ナス科ナス属の植物です。一時期、ナス科の下にトマト属が設けられていた時がありましたが、分子系統分析からナス属に統一すべきだ、という意見が主流を占め、変更されました。もともと南米のアンデスの原産で、乾燥に強く、冷涼な環境を好む植物です。日本で路地栽培をおこなうと春に種を蒔いて、夏収穫、秋には枯れてしまうイメージですが、温室で水耕栽培を行うと複数年実を付け続けます。上手に育てると、一粒の種から1万個を超えるトマトが収穫出来るそうです。国際連盟食料農業機関によるとトマトは野菜の生産量で世界1位、2位は玉ねぎです。日本の生産量は約72万トンで世界26位(2012年)です。都道府県別の生産量では熊本県がトップで2位は北海道です。
今回のトマト鍋では、ホールトマト缶では無くトマトジュースを使いました。そのほうが種を取り除いてあるので仕上がりの口当たりが良くなります。そして具材には魚介をたっぷり使いました。あさり、有頭海老、ヤリイカ、ギンダラ・・・・具材の種類は何でも良いのですが、いろいろ入れると旨みが増します。鍋の湯気の向こうから、海老のこってりとしたコクのある香りや、あさりの食欲をさそう香りとトマトの爽やかな香りがやってきます。
この冬に美味しいトマト鍋にテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはマドンナ R <ロゼ>でした。このマドンナ R <ロゼ>は「ワインを愛するオトナの女性のためのロゼ」をコンセプトに味わい設計やネーミング、デザイン、消費者の方々へのメッセージ造りまで総てを女性の手によって作り上げました。ブドウ品種はポルトギーザーとドルンフェルダー。美しく、少し濃いめのロゼカラーです。花系を思わせる香りが豊かで、特にピンクのバラの印象があります。さくらんぼやラズベリーの柔らかく甘やかなニュアンスも感じられます。酸と甘味のバランスが極めて良く、エレガントでさわやかな味わいのロゼです。
魚介のトマト鍋とマドンナ R <ロゼ>を合わせると、マドンナ Rの芯のしっかりとした酸とトマトの柔らかみのある酸とが味わいの核となり、そこに複雑な魚介の旨み、コクとが付け加わり、豊かな味わいのふくらみや厚みを醸しだしていました。
「深みのあるスープにマドンナ Rのキレのある酸が良いですね」
「ギンダラのリッチな味わいと爽やかな酸が良いバランスです」
「特に海老のミソのコク味と抜群に合っていますね」
「旨いっすねぇ!旨みの余韻が長く続きます」
「魚介からのスープだけではなく、トマトにはグルタミン酸が豊富だからね」
残りスープで作るリゾット風雑炊も、とってもワインに良く合う〆の一品です。是非お試しください。