今回のレシピは干し柿バター、レーズンバターの干し柿バージョンだと思ってくだされば味わいを想像し易いかもしれません。
柿は日本人に大変馴染み深い果物で、「柿食えば鐘が鳴るなり、法隆寺」は、あまりにも有名な正岡子規の俳句です。また、「柿が赤くなると医者が青くなる」は、柿の栄養価が高いことを見事に言い表しています。
柿はカキノキ科に属する果物です。カキノキ科の主要な果物は柿とマメガキが属しているくらいで、果物の種類としての広がりがあまりありません。バラ科が桃、スモモ、リンゴ、梨、アーモンド、ビワから、イチゴ、キイチゴまで多種多様に広がりを見せるのと好対照です。柿は大きく分け渋柿と甘柿があります。甘柿は渋柿から突然変異したものだと言われていて、その甘柿はじつは日本原産です!カキノキの学名はDiospyros kaki で、日本の柿の名前がそのまま使われているのです。
今回の干し柿バターではあんぽ柿を使用しました。あんぽ柿は完全に干して白く粉を吹いた干し柿と異なり、半分生のようなジューシーな柔らかさが特徴です。写真をご覧いただくとお判りのように、とろーりと柿が溶けています。調理は簡単であんぽ柿をたいらに開いて薄く切ったバターと重ねて塩と黒こしょうを振るだけです。
この晩秋らしい干し柿バターにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはマドンナ R <ロゼ>でした。このマドンナ R <ロゼ>は「ワインを愛するオトナの女性のためのロゼ」「女性が自分の輝きを取り戻すための女子力アップワイン」をコンセプトに日本向けに開発されたワインです。ぶどう品種はポルトギーザー主体に、ドイツで交配されたドルンフェルダーも使っています。ほのかな甘さと心地よい酸味、すっきりとした後味が特長のワインです。
干し柿バターを口に入れると、たっぷりと濃厚な干し柿の甘みにバターの芳醇な味わいが広がります。そこにマドンナ R <ロゼ>を合わせると、リッチな旨みはそのままで、そこに爽やかでキレのある酸が加わります。
「やられましたね」
「酸と甘みのバランスが絶妙です」
「柿とロゼがこんなに合うとは思いませんでした」
「ちょっとびっくりです」
満場一致でイチオシが決まったテイスティング実験でした。