ホタルイカは春の風物詩です。毎年3月1日に富山湾でホタルイカ漁が解禁になります。滑川漁港には昨年の解禁日の倍以上の水揚げがあったそうです。ホタルイカはツツイカ目の生き物で、学名をワタセニア シンチランスといいます。このワタセニアは、「ホタルイカ」の命名者である蛍の研究家、渡瀬教授にちなんでいます。昔は生きたままのホタルイカを発送してくれる店があって、ホタルイカの幻想的な光を自宅でも楽しむことが出来たそうですが、今は、ネットで調べた範囲ではありますが、見つける事が出来ませんでした。ホタルイカの美しい光を自分の目で楽しもうとすると、富山でホタルイカ漁の観光船に乗るか、ホタルイカミュージアムに行くか、特別天然記念物の富山湾岸でホタルイカの身投げを見るしかないのでしょうね。ホタルイカは漁そのものが数ヶ月と短く、さらに、海上で見物できるのは1ヶ月くらいしか無いそうです。
さて、今回は、このホタルイカを使って、ワインに良く合うカナッペを作ります。料理そのものは、とっても簡単です。
写真をご覧ください!
美味しそうでしょ♪
イカが手招きしていますよね。
この絶品おつまみのホタルイカのアーリオオーリオ カリカリバゲットのせにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはメゾン デ プリンスのソーヴィニヨン・ブランでした。メゾン デ プリンスとは『王子の館』という意味で、ユネスコ世界文化遺産に登録されているロワール川に点在する優美な古城をイメージして名付けられました。メゾン デ プリンス ソーヴィニヨン・ブランは主にトゥーレーヌ地区東部で収穫されたぶどうを使用してつくられます。トゥーレーヌ地区東部は、ソーヴィニヨン・ブランで有名なロワール河上流(サンセール地区など)と比較的に土壌が似ており、ミネラル感たっぷりのワインになります。
グラスに注ぐと、淡い黄色で輝きがあります。爽やかな青りんごや柑橘、特にグレープフルーツを思わせる香りと青草を連想させる香りがあります。瑞々しくフレッシュな口当たりでキレのある酸をもつ辛口ワインです。
盛り付けられたホタルイカのアーリオオーリオ カリカリバゲットのせが運ばれてくると、ニンニクの良い香りがします。
いよいよ、かじります。下の歯からカリっとした歯ごたえ、上の歯からはプリンとしたホタルイカの歯ごたえが伝わってきます。少し力をいれると、プリプリっと少し抵抗感があってから、ぷつりと切れます。するとイカの腸の濃厚な旨みが一気に口に広がります。柔らかみのあるイカとカリカリのバゲットのコントラストが楽しいです。イカの味わいとニンニクの香りを纏ったオイルが絶妙なソースとなっています。
メゾン デ プリンス ソーヴィニヨン・ブランを口に運ぶと、ソーヴィニヨン・ブランらしい緑を感じる香りが際立ちます。エキストラバージンの若々しい香りと相乗効果で響きあっている感じです。
「緑のトーンが強まりますね」
「似たもの同士は惹かれ合う、の典型的なケースですね」
それも、単純に大きくなるだけではなくて、より複雑さも兼ね備える感じです。
「他のワインとの組み合わせでは、少し、生臭さが気になるものもあったのですが、メゾン デ プリンスでは出てきませんね」
「柑橘系の爽やかさがたっぷりあるからでしょうかねぇ・・・」
春にぴったりのマリアージュを発見したテイスティングでした。