お客さまに「ワインが飲みたくなる料理は何ですか?」とアンケートすると、必ず上位にランクインするのがパスタです。今回は年末らしく、ちょっと豪華にアメリケーヌソースのパスタにしました。このレシピをこの時期にしたのには、もうひとつ訳があります。前の号で海老マカロニグラタンを記事にした時に、お客様から「近所のスーパーには有頭海老が置かれていない」という声が寄せられたからです。確かに、都市部の小さなスーパーには有頭海老が無いケースが良く有るようです。今回のレシピは、アメリケーヌソースですので海老のミソの風味がないと成り立たない味わいです。と、言う訳で、一年間で一番多く有頭海老が出回るこの時期に合わせて料理を選びました。
海老を炒めて、白ワインで蒸し煮にします。火が通り過ぎないように海老の身を外し、殻と頭は更にワインを加えて、へらで潰して、旨みを徹底的に抽出します。頭と殻と野菜を漉して、生クリームを加えてとろりとしたらソースの出来上がりです。後はパスタを茹で、舞茸を別に焼き、春菊を茹でたらアメリケーヌソースのパスタの出来上がりです。
アメリケーヌソースのパスタから海老ミソの濃厚な香りが立ち昇ってきます。焼き目をつけた舞茸の香りも華やかに香りたちます。
さて、このご馳走アメリケーヌソースのパスタにテイスティングメンバーが選んだイチオシワインはフレシネのカルタ ネバダ、「雪の手紙」というロマンチックな名前を持った、スペインのスパークリングワインでした。フレシネ社は世界No.1※1のスパークリングワイン会社です。このカルタ ネバダは1940年に新発売された、フレシネの出世作です。白い擦りガラスのボトルに金色のラベルが雪を連想させて冬らしく、そして、とってもゴージャスです。フレシネ社ではフレシネのマークで製品化されるスパークリングワインはすべて、瓶内二次発酵で醸された「カヴァ」のみです。ブドウ品種は、カヴァの代表3品種である、マカベオ、チャレロ、パレリャダを1/3づつ使用しています。
外観は、グリーンがかった淡い黄色です。泡立ちは細かく、洋ナシや干した杏系の甘い香りが特長的です。リッチな甘さとしっかりとした酸のバランスが心地よく、単独で飲んでも美味しい。また料理とも合うスパークリングワインです。
アメリケーヌソースのパスタを試食すると、予想通り、濃厚な海老のミソのコクが広がります。流石!アメリケーヌソース!!と思わせる味わいの濃密さがあります。そこに、フレシネのカルタ ネバダを一口、飲みます。フルーティーで優しい甘さが口に広がります。フレシネのカルタ ネバダを単独で飲んだ時には、ちょっと甘いかなぁと思いましたが、アメリケーヌソースのパスタと合わせるとそんなに甘く感じません。海老の濃く重厚な美味しさをカルタ ネバダがしっかりと受け止めています。
「カルタ ネバダが負けていないですねぇ」
「生クリームの甘みとワインの甘みとが、丁度良い感じです」
「あとくちが爽やかですね、泡が口の中をリセットしてくれているのでしょうかね??」
「焦げた舞茸の華やかな香りとカルタ ネバダの干した果物系の甘い香りのバランスも私は好きです」
年末年始の華やかな食卓を飾るのにふさわしい組み合わせが誕生した試飲会でした。
※1 IMPACT DATABANK 2011 EDITION 2011年度スパークリングワイン世界販売数量