キャベツは春に美味しい野菜です。冬のキャベツは扁平でぎゅっと堅く詰まった感じです、一方、春キャベツは球の背が高く、緩く巻いています。葉っぱそのものも柔らかで、甘みがあります。
キャベツはアブラナ科の植物です。アブラナ科には多くの野菜が含まれます。小松菜、タアサイ、ナバナ、白菜、水菜、ホースラディッシュやケールもみんなアブラナ科の植物です。キャベツは、ケールから枝分かれした仲間です。ブロッコリーやカリフラワー、蕪に似たコールラビやカメレオンの目玉のようなロマネスコもケールから枝分かれした野菜たちです。
この、春キャベツの葉っぱの間に、牛ひき肉を忍ばせます。フライパンで焼き色をつけて、更に蒸し焼きにします。ソースは粒マスタードと白ワインのソースです。
この春風そよぐ春キャベツと牛ひき肉のミルフィーユにテースティングメンバーが選んだイチオシはバルトン&ゲスティエのグラーヴでした。バルトン&ゲスティエ社は創業1725年の老舗でボルドー最古のネゴシアンのひとつです。アイルランド出身のトーマス バルトンがボルドーでワイン販売会社を設立しました。日本で、1725年というと徳川吉宗の時代です。その後、創業者トーマス・バルトンの孫ヒュー バルトンが1821年にシャトー ランゴアを、1826年にシャトー レオヴィルを購入、その後、現在までバルトン家が経営しています。バルトン&ゲスティエ グラーヴはチーフワインメーカー ローラン プラダが自信を持って世に送り出す白ワインです。小石(フランス語でグラーヴ)の多い土壌で育てられたソーヴィニヨン・ブランとセミヨンを使っています。よく熟したソーヴィニヨン・ブランの爽やかな香りとセミヨンの力強い骨格とがうまく調和したワインです。
キャベツと牛ひき肉のミルフィーユとグラーヴを合わせます。
キャベツにナイフをいれます。
「繊維が柔らかいですね」
粒マスタードと白ワインのソースをたっぷりとつけていただきます。
キャベツと牛ひき肉の旨みが良く合っています。
ここで、ワインを合わせます。
「!」「キャベツの香りが強調されます!」
火の入ったキャベツ独特の柔らかみと力強さのある香りが表に出てくる感じがします。
「キャベツが甘い!!」
「特に芯の所!柔らかくてすごく美味しいです」
「グラーヴと合わせると、コントラストで甘さが、より強調される気がします」
「葉の先っぽのほうも、楽しいですよ」
写真をご覧頂くとお判りのように、葉の先のほうの薄くなっている部分が少し焦げています。その焦げた部分とB&Gのグラーヴを合わせるとグラーヴが隠し持っている「フュメ」な香りが引き出されます。「香ばしさが際立ちますね」「粒マスタードとも良く合っています」
春キャベツの美味しさを満喫できるマリアージュでした。