タコス!時々無性に食べたくなります!!
発祥はメキシコ料理ですが、アメリカ南部でも独自の進化をしています。今回はワインに良く合うワインスクエア流のタコスです。
メインの具材は合びき肉とレッドキドニービーンズです、これをチリパウダーやカレー粉、ケチャップ、ウスターソースなどで味付けていきます。ワカモレ(メキシコ料理のサルサ)にはアボガドと玉ねぎのみじん切りを使います。一緒に巻く具は何でも良いのですが今回はチェダーチーズやきゅうりを用意しました。ワカモレもタコスの本体部分も予め作って置けますのでパーティーなどにも向くお料理と言えます。
この、くるくる楽しいタコスにテースティングメンバーが選んだイチオシワインは、同じ、スペイン語圏、チリのビニャ マイポのカルメネールでした。
カルメネールは1800年代前半まではボルドーの一番メインの品種でした。ぶどうの天敵、宿命の害虫フィロキセラがフランスに侵入するのが1863年です。その後、特にフィロキセラに弱かったカルメネールは、早い段階でボルドーでは絶滅してしまったのです。チリにカルメネールを伝えたのはシルベストーレ オチャガビア=チリで「ぶどうの父」と呼ばれている人でした。彼は1800年台の前半にフランスから様々な葡萄を持ち込みました。カルメネールのその中のひとつだったのです。チリはアンデス山脈にさえぎられ、現在に至るまでフィロキセラが侵入していない唯一と言ってよい国なのです。
その貴重なカルメネールなのですが、実は、長らく不遇な時代がありました。なんとメルロと間違われていたのです。メルロは早熟で、カルメネールは超晩熟です。同じ時期に収穫されていたのではカルメネールの実力が発揮できる訳が無かったのです。カルメネールが、カルメネールとして正しく評価されたのがわずか20数年前、それ以降カルメネールの評価は鰻登りです。
グラスに注ぐと、深みのあるルビー色です。グラスを回すと、スグリやフランボワーズを連想させる、熟した赤い果実の凝縮感を感じさせます。黒胡椒を思わせるスパイシーな香りもあります。味わいにも果実味がたっぷりで、ほどよいタンニンの親しみやすいワインです。
タコスと合わせます。ミートソースのスパイシーさ絶妙にあいます。赤い豆のほくりぽくりとした舌触りに、果実味のたっぷりのワインが出会って口のなかで、はらはらと溶ける感じがします。
「美味い!」「ミンチのお肉の肉汁と良くマッチしています!!」「スパイスとの相性が良いですね。タコスには何か特別なスパイスを使っていますか?」「単体ではクミンを使っています。ウスターソースのスパイシーさも生きているのでしょうかね?」「辛さも丁度、心地よいですね」
タコスには、フルーティーなだけのワインよりもスパイシーさのある個性派ワインのほうが良く合うと思ったテースティング会でした。