7月2日は、たこの日です。「蛸研究会」が制定した記念日で、なぜこの日になったかと言うと、関西地方には、7月2日頃の半夏生にたこを食べるエリアがあるからだそうです。関西以外の人には馴染みの薄い風習です。関西でもやらないエリアもあるようです。ためしに関西出身の人に聞いてみました。「食べる!食べる!」と言う人と「なにそれ?」と言う人が半々くらいの感じでした。最近は関東のスーパーでも「半夏生にたこを食べましょう」のポスターを見かけるようになりました。
たこの旬を調べると、たこの旬は夏、産卵期の春から秋にかけて美味しくなる、と書いてある本と、12月ごろが旬、と記述している本があります。確かに味わいに差がある気がします。冬のたこのほうに少し濃厚さがあり、夏のたこには淡白な旨味があると思います。江戸前のたこ釣り船も夏と冬の2シーズン出漁します。
今回は夏のたこをトマトとオリーブで煮込みます。トマトも夏野菜なので「夏の料理!!」って感じですよね。にんにくと玉ねぎをオリーブオイルで炒めます。アンチョビとドライトマト、赤唐辛子も炒めていきます。良い香りが立って来ます。にんにくの香ばしい香りがしてきます。唐辛子の辛さを伴った煙、ちょっぴり目にしみます。アンチョビの濃厚な香りなども混ざり合って、こころひかれる香りになっています。あらかじめ煮込んだたことトマトをいれて、更に煮込みます。味をととのえてレモンのピールをちらしたら、夏のたこのトマト煮込みの出来上がりです。
太陽あふれる白い砂浜のイメージのたことオリーブのトマト煮込みにテースティングメンバーが選んだイチオシワインはシャトー ラフィットを擁するドメーヌ バロン ド ロートシルトが南仏コルビエールでワイン造りに取り組むシャトー オーシエールのセカンドワイン ドメーヌ ド オーシエール ブラゾン ド オーシエールでした。
えっ?たこに濃厚な赤ですか!と驚かれる方もいらっしゃると思います。テースティングに参加したメンバーも実験前の予想では白ワインが優勢でした。
シャトー オーシエールが位置するのは、コルビエールです。モンペリエから南西に位置するナルボンヌの傍、海岸から約20km入った平野部です。ローマ時代からぶどう造りの歴史を持つこの土地に魅せられたシャトー ラフィットが、1999年に買収しました。
シャトー ラフィット ロートシルトの醸造責任者シャルル・シュヴァリエ氏の右腕であったエリック・コレール氏を責任者として起用、土地の成分や水はけの特性などの分析を綿密に行い、栽培品種やクローンを決めて植え替えを実施しました。
2008年ヴィンテージのドメーヌ ド オーシエール ブラゾン ド オーシエールのぶどう品種は、シラー 45% グルナーシュ 40% ムールヴェードル 15% の南仏ブレンドです。
色は濃く、果実の充実した凝縮感とスパイシーさとエレガンスをあわせ持ったワインです。
たこと合わせます。柔らかいです。良く煮られたたこ独特の、繊維の奥が解けたような柔らかさです。繊細で淡白なたこがトマトのソースを吸ってコクと力強さを持っています。
「茹でただけのたことは別の食べ物に思えますね」「普通のたこ料理なら赤じゃないですよね?この濃さのあるブラゾンと合う原動力はトマトですかね?」
「ワインのスパイシーさが上手く引き出されています」「トマト煮のほうにはスパイスはこしょうくらいしか使っていないんですけどね」
セロリとか赤唐辛子からもスパイシーさが出ている気がしました。黒オリーブをかじってブラゾンを飲むとブラゾンの奥行きがさらに深まる感じもしました。
コルビエールACの力強さと、ラフィットのエレガンスの融合した逸品ドメーヌ ド オーシエール ブラゾン ド オーシエールを是非お試しください。