この料理に合うワイン

レシピに戻る

1st

サンタ カロリーナ メルロ

サンタ カロリーナ
メルロ

チリ
ぶどう品種 メルロ

カツオはスズキ目 サバ科 マグロ族に属します。暖かい海が好きな魚で、南の海では年中見られます。日本近海には春、黒潮に乗るかのように北上してきます。4月くらいには駿河湾、5月相模湾、6月あたりで房総半島沖にも姿を現すようになります。夏に黒潮と親潮がぶつかる三陸海岸沖までやってきて鰯などをたらふく食べてまるまると太ってきます。

歴史的にも古くから日本人に親しまれてきた魚です。武家が権勢を振るった時期には「勝男武士」の語呂合わせで尊ばれたりしました。さらに昔、大和朝廷の時代にはカツオの干物と推測される堅魚(カタウオ)が献上されていた記録があります。

「目に青葉、・・・の句はあまりにも有名です。江戸時代には実際に異常な高値で取引された記録もあるようです。

今回はそのカツオをタルタルにします。味付けはフレンチマスタードとウスターソース、ケイパーと玉ねぎです。材料をまぜあわせて包丁でたたくように馴染ましたら出来上がりです。盛り付けを工夫しても10分もあれば出来上がる簡単料理です。

このカツオのタルタルにテースティングメンバーが選んだイチオシはチリの老舗サンタ カロリーナ社が醸したメルロでした。サンタ カロリーナ社は、1875年に創業者ルイス・ペレイラ・コタポスにより設立されました。ワイナリーの名は奥様の名前が由来なんですよ。

グラスに注ぐと紫を帯びた濃い赤色です。暗さをふくんだガーネット色で、酒脚(あし)も粘り気をもっています。香りは濃密な色の濃い印象のあるベリーのイメージです。ブラックチェリーやカシスを鍋にいれてジャムを作るのに加熱をしていく時に鍋が、くつくつと沸いてきたあたりに漂ってくる香りです。

「甘い香りですね」
「素直に熟した印象の香りですね」
爽やかな香りもあります。ミント系の連想です。口に入れると厚みがあります。

「リッチでたっぷりとした印象ですね」
カツオと合わせます。タルタルを箸でつまんで口に入れると、カツオの、いかにもカツオらしい鉄っぽい香りがしてきます。

「美味いですね」
「ワインが濃厚だから、強すぎるかと予想しましたが、びっくりするぐらいバランス良いです」
果実系の濃密な味わいとカツオの旨味とコクが丁度よく均衡しています。

「カツオが味わい深くなってくる気がします」
最後に振ったホワイトペッパーがワインのスパイシーなニュアンスを上手く引き出していました。魚でも身の赤い魚は赤ワインのほうが合わせ易いという原理原則を、まさに証明するようなマリアージュでした。

ボルドーの樽の香りが豊かなバロン ド レスタック ボルドー(赤)も堂々の第二位です。カツオの旨味とワインの厚みが丁度良いバランス感でした。力のあるタンニンがカツオのタルタルと出会うとまろやかにそして落ち着いた感じになりました。生の魚は樽の香りが邪魔をするケースが良くあるのですが、このタルタルでは全く違いました。また、メンバーから「カツオのタルタルを食べて、レスタックを飲むと、お腹が空いてくる感じがして、いくらでも食べられます」という意見もありました。

2nd

バロン ド レスタック ボルドー(赤)

バロン ド レスタック
ボルドー(赤)

フランス
ぶどう品種 カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ

メドック筆頭格付けのシャトー ラフィットを有するドメーヌ バロン ド ロートシルトは世界のいろいろな国でワイン造りに取り組んでいます。しかしフランスにおいては長らくボルドー以外での投資を行ってきませんでした。そのD.B.R.が初めての拠点に選んだのがこのシャトー オーシエールです。ローマ時代から葡萄栽培の歴史を持つこの土地にエリック男爵が惚れ込んで1999年に買収しました。ラフィットの醸造責任者シャルル・シュヴァリエ氏の右腕であったエリック・コレール氏を責任者として起用。徹底した土壌分析を行い、適地適品種、それもクローンにまで踏み込んだ植え替えを実施しました。2008年ヴィンテージはシラー45% ムールヴェドル15% グルナッシュ40%の使用比率ですが、年の出来を見ながらセパージュに関しては柔軟に変更していく方針です。なんせ、まだ植えたばかりの若い畑が多くて、樹が大きくなると突然、力を発揮しだす区画がたくさんあるからなんですよ。カツオのタルタルの鉄っぽいところとスパイシーな味わいが南仏品種の持つスパイシーさとぴったりマッチしていました。

3rd

ドメーヌ ド オーシエール  ブラゾン ド オーシエール

ドメーヌ ド オーシエール
ブラゾン ド オーシエール

フランス
ぶどう品種 シラー、グルナーシュ、ムールヴェードル

レシピに戻る