今回はイタリア風の薄カツです。イタリアのカツと言うとミラノ風カツレツが有名ですよね。現地ではいろいろなバリエーションがあるようです。ソムリエ協会の教本をひも解くと「ミラノ風カツレツ」仔牛の薄切り肉を揚げた物とあります。衣のパン粉にパルメジャーノを混ぜることが多いようですし、トマトソースが掛かって出てくることもあるようです。今回のイタリアン薄カツはあくまでワインスクエア流のレシピで、牛の薄切り肉を使います。しゃぶしゃぶ用が一番使いやすいようです。牛肉の薄切りにバジルの葉やドライトマト、モッツアレラチーズを挟んで衣をつけます。オリーブオイルでこんがり揚げれば出来上がりです。写真をご覧ください!黄金色に輝いています!!切り口からバジルの緑、トマトの赤がのぞいてとても美しいです。
この、こんがり美味しそうなイタリアン薄カツにテースティングメンバーが選んだイチオシワインは、スペインの牡牛トーレス サングレデトロでした。色は濃いです。少し紫をふくんだガーネット色です。スワリング(香りが立つようにグラスを回すこと)するとベリーを思わせる香りが華やかに立ち昇ります。ブルーベリーやカシスなどの色の濃いベリーのイメージです。口に入れると口いっぱいに果実味が広がります。ミデイアムボディながら、爽やかな酸味と凝縮感と充実感のあるワインです。
カツをかじります。さっくりと噛み切れます。牛肉の旨味とドライトマトの酸味と甘みが広がります。そこでワインを一口。「!」旨いです。牛肉の旨味をしっかりと受け止めてマリアージュしています。ドライトマトの甘さと酸味が強調される印象があります。「牛肉だけじゃなくてチーズのとろりとした美味しさにもよくマッチしています」「バジルのミントの風味とサングレデトロのハーブのニュアンスが良い感じですよね」「流石、牡牛のワイン、ですね」
牛肉とトーレス サングレデトロの相性の良さを再確認したテースティングでした。