焼きサンドです!写真をご覧ください。こんがりと美味しそうに焼けています。表面はカリッカリで、フランスパンの生地はしっとり、モッツアレラチーズは、とろーり、の3つの違う食感が楽しめます。フランスパンは卵と牛乳に絡めてから焼いてあります。ちょうどバゲットのフレンチフライトーストのニュアンスです。挟んであるのはモッツアレラチーズ、もちろん水牛のものです。アクセントはローズマリーとアンチョビのソース。シンプルですが手の込んだサンドです。このモッツアレラサンドアンチョビソースにテースティングメンバーが選んだイチオシはロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブランでした。葡萄の天敵フィロキセラが居ない葡萄の天国チリ。なかでもロス ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブランのメインの畑があるカサブランカ ヴァレーは海岸山脈の西側にあり、午後は海からの涼しい風が吹きわたり、気温が下がります。そのため、ワインに活き活きとした酸が残ります。グラスに鼻を近づけると柑橘系、それもグレープフルーツを連想させる爽やかな香りがあります。ちょうどグレープフルーツの皮をがばっと剥いて、内側の白い皮の部分を嗅いだときの印象です。それと野菜を思わせる香りがあります。アスパラガスの皮をピーラーで落としているときのニュアンスです。
「爽やかですね」
「新緑の印象ですね」
「香りもですが、味わいも清々しいですね」
「酸のキレがあってエレガントですね」
「モッツアレラサンドの香りも印象が変りますね」
ソーヴィニヨン・ブランを飲んでからモッツアレラサンドの香りを嗅ぐと明らかにローズマリーのハーブの勢いが強く感じられます。「似たもの同士が引き立てあっているんですね」
モッツアレラの解け味もさらりと軽やかに感じられます。
「アンチョビの複雑な旨みとのバランスもとても良いですね」
アンデスの雪解けの風か、はたまた日本の春風か、ともあれ冬を耐えた、いのちの輝きを感じるテースティングでした。