秋のキノコというと日本人には松茸ですがヨーロッパの人々にとっては何といってもポルチーニ茸です。
フランスではセップと呼ばれます。
今年はポルチーニ茸、例年に無く豊作だったようです。今回のレシピはそのポルチーニ茸をシンプルにソテーします。にんにくの香りとオリーブオイルの香り、そして火に煽られたポルチーニ茸の香りがひときわ華やかに立ち昇ります。それをガーリックトーストとマスカルポーネチーズでいただきます。
口にいれるとポルチーニ茸独特のむっちりとした食感が・・・・・
切り口は滑らかです。少し噛むとしっかりとした弾力が返ってきます。ちょっとなまめかしい感触。さらに力を入れるとじゅわーっと旨みたっぷりの汁気が出てきてたまりません。さらにさらに力を入れるとふっつりと噛み切れるポルチーニ茸ならではの感覚です。口の中はポルチーニ茸の味わいとマスカルポーネの旨みの競演です。
さて、このポルチーニ茸にメンバーが選んだイチオシはボルドーを代表するメドックの一級ワイン、それも筆頭格付けのシャトー ラフィットが醸すドメーヌ バロン ド ロートシルト ポーイヤック レゼルブ スペシアル 2005でした。このワイン、ただのポーイヤックではありません。シャトー ラフィットのワインやシャトー デュアールミロンになる畑の原酒を基本的に使用。言ってみればサードラベルに相当するようなワインです。
カシスやブルーベリーを思わせる果実香、そしてハーブやスパイスを連想させる香り、さらに樽由来の香り、複雑です。口当たりはエレガントでまろやか、流石ラフィットのイメージに良く似ています。ワインの繊細な香りと華やかなキノコの香りが絶妙に合います。バロン ド ロートシルトが口に入るとポルチーニ茸の旨みが更に増す印象です。マスカルポーネの動物性の脂とオリーブオイルの植物性の油でかなりオイルリッチなイメージがバロン ド ロートシルトのキメ細かなタンニンと出会って甘くさえ感じます。うーーーん 幸せを感じる高貴なマリアージュでした。