水族館などでクラゲが人気だと聞いた。この気持ち、わからなくもないな。自分で泳ぐわけでもなく、透明な体でただ波まかせにふわふわ浮かぶ浮遊生活者の姿が共感を呼ぶのか。一生を漂って過ごすもの、海底に付着して暮らすもの、いろいろらしいが、その姿はいかにも自由。海月と書き、水母とも書く。子が母に従うように小魚がクラゲと共生するケースは珍しくないらしい。今頃の海でよく刺される通称電気クラゲの代表はカツオノエボシ。触手に毒があり刺されるとひどいミミズバレになる。食べられるのはエチゼンクラゲで、直径一メートルのジャンボクラゲ。コリコリした歯触りが涼しい。今夜はクラゲを肴に山崎を飲る。そしてひととき浮遊する。
|