オリンピックが近づいてくるとよく耳にする言葉が「プレッシャー」。私はあがり性で、ここ一番というときによく頭の中がまっ白になってしまうのだが、こんなときは「あがるな」といっても無駄で、むしろ反対に思いきり自分にプレッシャーをかけて「あがれ、あがれ」と考えた方がいいらしい。あがってもいいと開き直ると、かえって自然に体がほぐれる。こういうのを逆説的志向とか逆努力というそうだ。よく聞く話では、役者は初日を迎える前の晩、折角憶えた台詞をいったん一切忘れてのんびり一杯やったりするというのが、いいプレッシャー克服法だ。何だってうまくやろうとするからうまくいかない。山崎を飲んで、ピュアになって私は今夜も逆努力する。
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