罅入ったアスファルトの隙間から、可憐な花が顔をのぞかせている。蒲公英と書いてタンポポ。鼓草ともいう。四国や九州では白い花と思っている人が多いようだが東日本では黄色。一口にタンポポといっても二十種位あるらしい。渓流釣や摘み草の折、細い管になったその茎でせせらぎの水を吸って飲むことがある。茎を伝ってくるその水の甘いこと。アメリカではほうれん草のように茹でてバター炒めにしてよく食べるという。ヨーロッパから帰化したセイヨウタンポポはもともとサラダ野菜だった。あひたし、てんぷらにしてもいいし、白添えもおいしい。根を煎ってタンポポコーヒーなんてのもある。今宵は花を愛でつつ花を肴に山崎を飲ることにするか。
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