日が長くなった。二十一日が夏至でこの日が一年で最も昼が長かったわけだ。ところで巨石の遺跡で名高いイギリスのストーンヘンジの軸は、この夏至の日の出にぴたりと合っているのだそうだ。四十五トンもの巨大な石を幾つも組み合わせた、これは珍しい新石器時代の天文観測所である。つい先日十八年ぶりの金環日食が話題になったが、ストーンヘンジが作られたのはこの日食や月食を予知するのが目的だったのではないかという説もある。単に暦を刻むにしては構造が複雑過ぎるというのだ。五千年も昔に人類の祖先はかなり高度な天文的計算をしていたらしい。しかるにわがピュアモルトのグラスに浮かぶロックは、何の計算もなく日の沈むのを待っている。
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