鹿児島で雲雀が啼きはじめるのは、例年三月二日頃であると聞いた。今年は春一番も随分早く、比較的暖かかったから、その分早くなるのかなと期待していたが、そういうものではないらしい。春になって小鳥が囀るようになるのは、気温の上昇よりも、日の長さによるのだそうだ。ちなみに鹿児島の三月二日頃の気温は九・六度だが、札幌で雲雀が啼きはじめる三月二十九日頃の気温は、まだ二度でしかないという。立春から春分までは光の春、春分から立夏までは気温の春。雲雀は今年も、光の春に反応して囀りはじめるというわけである。それにひきかえわが家のグラスは、日が長くても短くてもほぼ同じ時刻にチリンと氷が啼く。そして、トクトクと揚雲雀。
|