最近はワープロ全盛で、字が上手くないからといって肩身の狭い思いをしなくてもすむ。ご同慶の至りであるが、ちょっとした挨拶から要用のみの葉書までワープロで来ると、かえってこの人も字に自信がないのだなと思わず微笑みたくなる。悪筆に悩んでノイローゼになってしまった人が、お医者さんにこうアドバイスされたそうである。きれいに書こうと思わずに、思い切って汚く書いてみなさい。以後ノイローゼは治り、不思議に字もきれいになったということだ。要するに開き直りですな。近頃は書の展覧会を覗いても、上手く見えない方が味があったりする。なるほどね、たまに硯に向かってみるのもいいか。山崎のラベルが急に身近になった気がする。
|