エドガ−・アラン・ポオが世界で初めて本格的な探偵小説を書いてから、ちょうど百五十年。ポオはミステリーとしては5篇の短編を残しただけだったが、密室をはじめとして名探偵、暗号、意外な犯人など、読者を酔わせる手法の数々が、その作品の中にすでに完成されていた。不可能とも思える状況の提示、深まる謎、わずかな手がかり、そして鮮やかなる解答。実はピュアモルトウイスキーの生い立ちもこれとよく似ている。樽という密室で行われる神秘。長い長い沈黙の後、琥珀色の馥郁を身につけ、華やかに披露される結論。本格探偵小説という場合の「本格」に、英語ではピュアという言葉をあてている。今宵もまた心躍らせるピュアな一杯、その頭文字はY。
|