蟻の道雲の峰よりつづきけり。イソップ物語をひくまでもなく、蟻は働き者の代名詞だが、働き蟻にも分業があり、道で見かける長い蟻の行列は、その巣の全働き蟻の3〜5%にすぎないという話を聞いた。しかも蟻が忙しそうにしているのは、育ち盛りの幼虫が沢山いる時とか、何者かに巣が襲われた時で、それ以外は寄り集まってじっとしていることが多いのだそうである。どうやら蟻は必要な時以外は働かないらしい。いや、それどころか、なかには仕事帰りの途中で一休みしてしまう横着者もいるらしいのだ。考えていたより、蟻もなかなか人間的なのである。ついついうれしくなって、とっておきのピュアモルトをグラスに注いでしまった私である。
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