どうやら古代の人々は、寝椅子の上で横になって食事をしたものらしい。キリストと12人の使徒たちも、本当は皆ゴロゴロと横になりながら、最後の晩餐を共にしたのだという説がある。後世描かれた晩餐図では、どれもヨハネを除き、皆しゃんと背を伸ばしてテーブルについているのだが、当時の作法に従えば、キリストに寄りかかっている、一見お行儀の悪いヨハネの姿勢こそ正しいマナーだったということになるのだから面白い。別に古代の人でなくとも、休日の午後などはソファかなんぞの上でゴロゴロし、ちょっと気のきいた肴でもつまみながら一杯やっていたいものである。ウイスキーだって、庫の中で長らく横になっていたのだから、気が合うのだろう。
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