ウイスキーづくりの精神を守り継ぐ
椎尾神社、秋の祭礼。
山崎蒸溜所の真ん中に伸びる道を進むと見えてくる椎尾神社。
古くは、奈良時代に聖武天皇の勅を受けた行基により創建された
西観音寺に由来します。明治の神仏分離令により西観音寺が廃寺と
なった後、1868年に「椎尾神社」として改められたと伝わります。
地域や人々の平安を守る氏神さま。
しかし、サントリー創業者・鳥井信治郎がこの地に
日本初のモルトウイスキー蒸溜所の建設を決意した当時、
椎尾神社は手入れが行き届かず荒れた状態にあったといいます。
そこで信治郎は、地域の人々とともに神社を復興。
1924年に山崎蒸溜所が完成し蒸溜施設を稼働させた記念日である
11月11日に毎年祭礼を主催するようになったのです。
2023年は11月10日(金)に椎尾神社で秋の祭礼を執り行いました。
この1年、歴史を重ねることができたことへの感謝を込めて、
本殿の祭壇には、長年受け継いできた神具をはじめ、
「山崎」や「響」を奉納し、祭礼の準備を整えます。
島本町長をはじめ地域の方々や関係者の皆さま、
藤井工場長を筆頭とした山崎蒸溜所の面々が境内に集い、
祭礼がはじまる11時11分を待ちます。
この11時11分とは、山崎蒸溜所で蒸溜した
原酒のはじめの一滴が生まれたとされる時間です。
長年にわたり祭礼を担当する塩谷氏の進行で、
修祓の儀、献饌の儀など、基本的な神事に則って祭礼が進みます。
祝詞奏上の後には雅楽が奏でられ、巫女が神楽の舞を披露。
厳かな空気に包まれる中、玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行いました。
その後、お供えを下げる撤饌の儀を経て、皆で一拝。
この地に流れる悠久の時や、先人たちから受け継いだ
伝統や想いを感じ取り、気持ちを新たにする瞬間です。
地域の方や関係者の皆さまとの交流の場ともなり、
山崎蒸溜所にとって欠かすことのできない特別な一日となっています。
4年ぶりに本来の規模での開催が叶った2023年。
創業者鳥井信治郎のウイスキーづくりの精神は、
変わらずに受け継がれ続けています。
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