YAMAZAKI BRAND STORY vol.6
“ブレンダーの仕事とは”
ウイスキーづくりの鍵を握るブレンダー。
YAMAZAKI BRAND STORY 6回目の今回は、
「ブレンダーの仕事」について解説します。
「ウイスキーづくりの鍵はブレンド技術にある。」
これが創業当時から変わらないサントリーの考えであり、
その重要な役割を担っているのが、ブレンダーです。
シングルモルトウイスキーとは、
ひとつの蒸溜所のモルト原酒のみでつくるウイスキーのことを指し、
シングルモルトウイスキー「山崎」も、
山崎蒸溜所のさまざまなモルト原酒をブレンドすることで完成します。
山崎蒸溜所では、仕込み、蒸溜、貯蔵のあらゆる工程で多彩なつくりわけを行い、
さまざまな香味のモルト原酒を生み出しています。
こうした多様な個性を持った山崎モルトをブレンドし、
繊細で奥深い香味をつくるのがブレンダーの仕事です。
ブレンダーはまた、一日に数百もの原酒サンプルをテイスティングすることもあります。
高品質の「山崎」をつくり続けるために、
貯蔵庫に眠るすべての樽の状態をつねに把握する必要があるからです。
日々のテイスティングをもとに熟成のピークを見極めるとともに、
将来どのような原酒が必要かを判断し、現場に指示を出すのもブレンダーの重要な仕事です。
ブレンダーの技。それを支える日々の研鑽。
ブレンダーの仕事には、繊細な感性が要求されます。
そのよりどころとなるのは、ブレンダー自身の五感。したがって、
その感覚をつねに磨きがかかった状態にしておくことに、
日々細心の注意を払っています。
五代目となる現チーフブレンダー・福與伸二は語ります。
「仕事の前日つまり日曜の夜から、
仕事が終わる金曜の夜まではニンニクなど香りが強いものは一切食べず、
自分がいる空間の温度、照明なども一定の環境を保つよう心がけ、
極力規則正しい生活を送ります。
東京への出張も多いのですが、出張の日だけ早起きをすると
生活のリズムが狂ってしまうので、東京に行かない日でも毎日、
9時半に東京駅に着ける早朝に起きるようにしています」
それでも日々微妙に体調は違うもの。
その違いを自分で掴んでおくため、朝、ブレンダー達はブレンダー室に集合すると、
毎日決まったウイスキーをテイスティングして、その印象をお互いに話しあい、
今日の自分の感じ方に変化はないか確認してから、その日の仕事に取りかかります。
ブレンダーの想いは、原酒を通じて引き継がれます。
いま製品として世に出て行く原酒は、
何年、何十年も前の先達たちが仕込んでくれたもの。
いま自分たちが仕込んだ原酒は、
何年、何十年後に、将来のブレンダーたちが使うもの。
原酒に込められた先達の想いを受け止め、自分たちは後輩へと想いを託す。
一本の山崎をつくることは、世代を超えて連綿と受け継がれた、
数多くのブレンダーたちの想いをかたちにすることでもあるのです。
山崎倶楽部
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