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梅酒を貯蔵した樽は、アメリカンホワイトオークのホッグスヘッドです。約50年前にバーボンを熟成させ、その後サントリーの製樽工場で再生されて3〜4度ウイスキーを熟成。最後はグレーンウイスキーの熟成に活躍してきた古樽です。さすがに半世紀もウイスキーを寝かせていると熟成力が枯渇してきますが、これを焙煎してやることで再び元気を回復。上品な木香と甘いバニラ香をもった極上の梅酒を育んでくれました。 |
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サントリーでは、現在150万樽の多種多様なタイプの原酒を保有し、さらに10年後、20年後の新しいウイスキーづくりを見据えた研究を続けています。樽と原酒の組み合わせや熟成の方法、期間など、さまざまな試みを繰り返しながら、これまでにない魅力を備えたウイスキー生み出そうとしています。 |
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梅酒の話になぜウイスキーづくりの話が出てくるのか、不思議に思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は「焙煎樽貯蔵梅酒」は、樽貯蔵や焙煎といったウイスキーの樽づくりの技術を梅酒に活用したもの。長年のウイスキーづくりで培った経験が、豊かな味わいの梅酒をつくり上げたのです。 |
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「焙煎樽貯蔵梅酒」の貯蔵を終えた古樽にはいま、モルトウイスキーを詰めて白州蒸溜所で熟成の途上にあります。これまで杉樽原酒や竹炭濾過の開発に携わってきたブレンダー・藤井敬久は、日本の果実酒である梅酒を熟成させた樽でも、日本独自の味わいをもったウイスキーができるかもしれない、と考えたのです。 |
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すでに藤井は、1990年代に甘やかで口当たりのいいウイスキーを求め、シェリー樽で後熟した“リザーブ・シェリー樽仕上げ”を開発していました。シェリーの替わりに梅酒を寝かせた樽を使っても、個性的なウイスキーが作れるにちがいない、と考えています。さて、おいしい梅酒を生みだした古樽で眠る“梅酒樽貯蔵モルト”は、どんな味わいに仕上がるでしょうか。サントリー技術者の大きな夢を育んで、静かにゆっくりと熟成の旅を続けています。 |
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