ブランドストーリー
BRAND STORY
「森の蒸溜所」誕生までの歴史とは。
森と白州の味わいとの関係とは。
職人たちのこだわりとは。
シングルモルトウイスキー白州の物語です。
新しい個性の
ウイスキーを求めて
日本最古のモルトウイスキー蒸溜所、山崎蒸溜所開設から数十年。サントリー創業者・鳥井信治郎の息子として、二代目マスターブレンダーを引き継いだ佐治敬三は、山崎蒸溜所とは異なる個性のウイスキーを求めて、第2の蒸溜所の建設を決断しました。
サントリー創業者・鳥井信治郎 / 二代目マスターブレンダー・佐治敬三
建設地を決めるにあたりこだわったのは、ウイスキーづくりに適した理想の水があることでした。水はウイスキーづくりの命とも言われるほど大切なもの。一切の妥協は許されず、適地を探す作業は困難を極めることが想像されました。この難しいミッションを託されたのが、山崎蒸溜所の工場長などを歴任し、水に関する造詣の深さから"水の狩人"と呼ばれていた、大西為雄でした。
"水の狩人"大西為雄
大西は日本全国を探し回りましたが、なかなか理想の水に巡り会えません。調査開始から数年が経ったある日、大西は現在の北杜市白州町にたどり着きます。南アルプスの花崗岩が磨いた清らかな水を口にした瞬間、「まだ日本にもこんな水があるのか」と震えたと言います。
世界でも稀な「森の蒸溜所」
日本で初めてウイスキーづくりを始めてから、ちょうど50年を迎えた1973年、約82万平方メートルの豊かな森に、白州蒸溜所は完成しました。海抜約700mという高地に位置することも、広大な森の中にあることも、世界的に稀なモルトウイスキー蒸溜所の誕生です。
以来、職人たちは日々ウイスキーづくりに打ち込み、ついに21年後の1994年、「シングルモルトウイスキー白州」は産声を上げました。
「自然と人間の共作」と言われるほど、ウイスキーは自然の力を借りて育ちます。白州のあの清々しい味わいは、いわば白州蒸溜所の森が与えてくれたものと言っても良いかもしれません。
森と水は密接に関わっています。豊かな森を守ることが豊かな水を守ることにつながり、ひいては白州の豊かな香味を守ることにつながります。白州蒸溜所では、民間工場として日本で初めて、敷地内にバードサンクチュアリを設け、森林保護活動や愛鳥活動に努めています。さらに敷地内にとどまらず、北杜市をはじめとする約180ヘクタールの森で、水を育む森づくりの活動を行っています。
白州蒸溜所では、ウイスキーをつくることと森を守ることは、表裏一体のものなのです。
森が育てる白州の味わい
白州蒸溜所では、さまざまな自然の恩恵をいただきながら、ウイスキーづくりを行っています。
南アルプスの花崗岩に磨かれた、ミネラルバランスのよい軟水が、香り立ちがよくスッキリとした味わいをつくってくれます。森の乳酸菌の働きを促すために、昔ながらの「木桶発酵」を少し長めに行うことが、爽やかなのに味わい深い風味をもたらしてくれます。貯蔵庫では、原酒が森の大気の中で呼吸を繰り返し、長い時間をかけて熟成していく中で、白州の特徴的な香りと味わいをまとっていきます。
南アルプスの清冽な水、森の乳酸菌、自然の空気。どれが欠けても、白州のあの香りと味わいは生まれないのです。
多彩な原酒のつくり分け
白州蒸溜所のウイスキーづくりの特長は、世界にも類を見ない多彩な原酒のつくり分けにあります。
たとえば、蒸溜工程では大きさや形の異なる蒸溜釜を使い分けたり、貯蔵工程ではさまざまな樽を使い分けたりなど、主要工程で多彩な原酒のつくり分けを行っています。
さまざまに異なる味わいの原酒を、ブレンダーが絶妙な配合でブレンドし、シングルモルトウイスキー白州として完成させます。清々しさの中に奥深さを感じさせる白州独自の味わいは、このようにして実現するのです。
ブレンダーの技
白州の味わいをつくり守るのが、ブレンダーの仕事です。
そのためブレンダーは、貯蔵庫に眠る数多くの原酒の熟成状態を把握しておかなければなりません。熟成のメカニズムはいまだ解明されていないほど神秘的なもの。必ずしも人間の思ったとおりには熟成してくれません。そのため、自らの五感を頼りに、ひとつひとつ樽の中の原酒を、多いときには一日に数百種類もテイスティングし、確かめていきます。
そして樽ごとの熟成のピークを見極め、どのタイミングでどの原酒を使用するべきかを判断し、シングルモルトウイスキー白州としてのひとつの香味にまとめあげていくのです。
四代目チーフブレンダー・福與伸二
ウイスキーづくりには長い年月が必要です。未来のブレンダーのために、将来どのような原酒が必要になるかを予測して、新たな原酒を仕込むのも、ブレンダーの大切な仕事です。
世界で愛される白州へ
2006年、世界的に権威ある酒類コンペティションであるISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で、シングルモルトウイスキー白州18年が「金賞」を受賞したのを皮切りに、白州は世界的なコンペティションで数々の賞をいただいてきました。
世界でも稀な「森の蒸溜所」の挑戦が、広く世界で評価いただき、その味わいを愉しんでいただいていることは、この上ない喜びです。
広い森の中で、自然の恵みを受けとりつつ、その自然を守り育てながら、香味豊かなウイスキーをつくる。これからも、磨いてきた技を継承しつつ、同時に革新も忘れず、自然とともに手を携え、より良いウイスキーをつくっていきます。
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