蒸溜所で愉しむ
新たな年が始まり、皆さまいかがお過ごしでしょうか?甲斐駒ヶ岳の麓、標高約700mにある白州蒸溜所は、1月に入り本格的な冬が訪れています。今回は、そんな厳しい寒さのなか、静かに熟成の時を刻むモルト原酒の様子をご紹介します。
「シングルモルトウイスキー白州」は世界でも稀な「森の蒸溜所」で育まれます。
自然とともに熟成する「シングルモルトウイスキー白州」
白州蒸溜所の貯蔵庫は、一年中空調などを使用せず、自然のままに任せています。そのため、樽の中に眠るモルト原酒は、季節によって変化する気温や湿度など、自然環境の影響を受けながら熟成していきます。
冬は、冷たく澄んだ空気に包まれる白州蒸溜所。
原酒は樽のわずかな隙間を通して呼吸をします。冬には樽の木目から冷たく澄んだ白州の森の空気を取り込み、内側から原酒をゆっくりと蒸散させます。一方、夏の暑い時期には原酒の呼吸は活発になります。夏の貯蔵庫は、樽から蒸散した原酒の香りで一杯になります。
四季が巡るたびに、白州特有の香味をまとっていきます。
四季の変化とともに、貯蔵庫内の趣きが変わるのも白州蒸溜所の魅力のひとつ。ひとつ季節が巡るたびに、モルト原酒の香りと味わいに厚みが増していくのです。
白州の自然の恵みは、ウイスキーを仕込む「人」によってさらに活かされます。
自然の恵みと職人の丹精
樽の中の原酒は、白州の自然と風土をその中に取り込みながら、白州特有の香味をまとっていきます。しかし、樽に原酒を詰めただけで良いウイスキーができるわけではありません。つねに職人の目と鼻と舌で原酒の熟成具合を確かめ、自分の子どものように毎日丁寧に育てることではじめて、奥深い味わいのウイスキーが生まれるのです。