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清里の本格ショコラトリー「パレ ド オール」 2016.01.28

食事と愉しむ
白州蒸溜所からほど近い清里に、全国的に有名なショコラティエの工房兼ショップがあります。その名は、「アルチザン パレ ド オール」。ショコラづくりのすべての工程を自ら行う三枝俊介さんが生み出すショコラは、シングルモルトウイスキー白州とも見事にマリアージュすると評判です。白州と同じ豊かな自然の中でつくられるショコラにはどんな特長があるのか?三枝さんのショコラづくりのこだわりとは?三枝さんご本人にお話を伺いました。
三枝さんのお話は、ショコラに対する愛情に溢れていました。
ヨーロッパアルプスのヒュッテのようなかわいらしい工房兼ショップ。
様々なカカオ豆を試し、厳選した10種類を使っています。

清里の自然がショコラの味を決める

ショコラ界に「Bean to Bar(ビーントゥバー)」という言葉があるのをご存知でしょうか。Beanとはカカオ豆、Barとはタブレットとも呼ばれる板チョコのこと。つまり、カカオ豆の選定に始まり、タブレットができるまでの全ての工程を一貫して行うショコラづくりの新潮流。
「パレ ド オール」のグランシェフである三枝俊介さんも、カカオ豆の魅力にとりつかれた一人。大阪の名門ホテルで修行した後独立。パティスリー「メランジュ本店」を営みつつ、2004年には本格的ショコラ専門店の「ショコラティエ パレ ド オール」もオープン。すでにショコラティエとしての地位を確立していましたが、2014年に「Bean to Bar」に挑戦することを決意。清里にショコラづくりの専用工房を構えました。

「例えば野菜を例にとると、農家は野菜を作って市場におさめれば仕事は終わり。料理人は市場で野菜を買って料理をしますよね。ショコラの世界だと、ショコラティエは料理人にあたります。農家にあたるショコラづくりまでする人はほとんどいない。両方やっている人は、世界でも稀なのではないでしょうか。ショコラティエは市販のショコラを仕入れてお菓子を作るのが普通なんです。でも僕は、ショコラづくりも自分の手でやりたかった。今後の人生は、ショコラの追求に没頭すると覚悟を決めたんです」

では、そのための拠点を清里に定めた理由は?
「平均気温が低く、乾燥した気候というのはカカオ豆の保管に向いています。高温多湿な場所だと、すぐに虫がついてしまうんです。それに、清里の気候はできあがったショコラのエイジングにも適していますね。ショコラは完成してすぐは渋みや酸味が強く、味が尖っています。2カ月ほどすると味が安定してくるので、その間はエイジングと言って、そっと保管しておきます。そこで僕らができることは何もありません。清里の自然にお任せするほかない。これは白州の自然と、シングルモルトウイスキー白州との関係性にも似ているんじゃないでしょうか」
カカオ豆の焙煎具合を確かめる三枝さんの表情は真剣そのもの。
巨大なロースターで焙煎。ショコラの香りや味を左右する大切な工程です。
シングルビーンのタブレットにミルクをたっぷり加えたハイミルクタイプは清里限定。各800円。

カカオ豆の個性を余すことなく引き出す

実際のショコラづくりの工程は、工房の中を案内してもらいながら説明していただくことになりました。まず目に入るのは大きな麻袋に入った大量のカカオ豆。
「Bean to Barの基本はシングルビーン。市販されているショコラは基本的に数種類のカカオ豆をブレンドしてつくられますが、Bean to Barでは単一の産地のカカオ豆だけ使って、その産地の個性を愉しみます。うちで使っているのはキューバやホンジュラス、ベトナムなど10カ国のカカオ豆。それぞれに苦味が強かったり、酸味が際立っていたり、個性が強い。それを混ぜて一般受けする味にするのではなく、個性を個性としてそのまま愉しんでもらいます。ウイスキーでいうと、シングルモルトの概念に近いでしょうね」

なかには割れたり傷んだ豆もあるので、機械任せにせず、人の目で見て選り分けることから作業はスタート。続いて土やほこりを水で洗い流します。さらにオーブンで軽く加熱して、洗浄の際についた水分を飛ばすのと同時に殺菌してから焙煎へ。焙煎が始まると、工房の中は香ばしい香りに包まれます。カカオ豆の産地によっても微妙に火入れの時間を変えるそうなので、目は離せないそうです。ここも、やはり頼りになるのは人の目。丁寧な手仕事で、カカオの香りを引き出します。時おり豆を取り出し、砕き、香りを確かめ、焙煎具合を確認。このあと豆を砕いて皮などを取り除いたものがカカオニブ。カカオニブをすりつぶし、砂糖などと混ぜ合わせると、ドロドロの状態のショコラの原型ともいえる状態に。今回は特別に、この状態で味見をさせていただきました! 滑らかで、濃厚で、苦味と酸味がほどよくマッチしたその味は、なんとも言葉にできないほど。自然と笑みが溢れてきてしまいました。

「市販のショコラに比べると、だいぶ個性が強いのがわかるでしょう。この個性、カカオ豆が持つポテンシャルを引き出すのはとても難しいんです。下手をすると、ただ苦かったり、酸っぱいだけのショコラになってしまう。カカオ豆の産地や出来具合によって微妙な調整をほどこすには、やはり手作業でないとダメ。さらにBean to Barはまだ新しい世界ですから、経験値を積み重ねることも重要です。この工房で今まで年間7トンのカカオ豆を使いました。Bean to Barの工房としては日本最大かもしれませんし、今後も増えます。他所より多くの経験を積むことで遊び心も生まれるし、そこから先の発展性も引き出すことができるのです」
スモーキーな「THE PEAT」はシングルモルトウイスキー白州と相性抜群。
ピートはスコットランドから輸入。
火をつけたピートをロースターの中へ。

タブレットはゴールではなくスタート

三枝さんが言う遊び心から生まれた商品のひとつが、2015年10月に販売開始された「THE PEAT」です。モルトウイスキーをつくる際、原料の麦芽を乾燥させるのに使うピートをショコラに用いる斬新なアイデア。カカオ豆を焙煎するときに、ピートを燃やした煙で燻すことによって香りを移します。でき上がったショコラは、どこかシングルモルトウイスキー白州を思わせる独特の薫香を帯びた、大人の味わいです。
「この工房を開いておよそ1年ですが、ショコラに対する世界観が一気に広がりました。味の幅や深さなど、より深くショコラと向き合うようになったんです。カカオ豆にどんな可能性が残されていて、それを引き出してやるには、なにをすればいいのかも見えてきました」
工房に併設したショップには、三枝さんがショコラと向き合った結果生まれた商品が数多く並んでいます。
「普通のBean to Barのお店は、タブレットをつくるのがゴール。でも僕の場合はそこがスタートなんです。ボンボンショコラもケーキも焼き菓子も、ソフトクリームもつくる。僕はショコラティエであり、パティシエでもあるので、それを活かして、さらにショコラの発展性を探れるのが強みですね」
ボンボンショコラをシングルモルトウイスキー白州とともに。

ショコラとウイスキーは対等な関係

ショコラとウイスキーのマリアージュについても三枝さんに聞いてみました。
「ショコラとウイスキーは基本的な強さが同じ。例えばシャンパンとショコラもマリアージュしますが、強さという点では圧倒的にショコラのほうが上なんです。そういう主従関係を伴ったマリアージュではなく、ショコラとウイスキーはまったくの対等。Bean to Barのショコラとシングルモルトウイスキー白州は、目の覚めるような好相性を見せてくれます。まず白州を飲み、ショコラをかじり、その後にもう一度白州を飲む。すると白州の隠れた味、それまで気が付かなかった香りや風味を引き出してくれるんです」

取材の後、キューバ産カカオ豆で作ったタブレットを、シングルモルトウイスキー白州と合わせてみました。柑橘系の苦味と強めの酸味、スパイシーな刺激はかなり個性的ですが、口の中で白州と出会うと、その個性はすっと奥に下がり、隠れていた香りが鼻から抜けていきます。

「アルチザン パレ ド オール」の商品はタブレットだけでなく、ボンボンショコラなども東京と大阪の「ショコラティエ パレ ド オール」各店でも購入可能です。ぜひ、さまざまなショコラと白州を合わせて、新しいマリアージュを見つけてみてください。

アルチザン パレ ド オール

  • 住所:山梨県北杜市高根町清里朝日ヶ丘3545-931
  • TEL:0551-48-5381
  • 営業時間:10:00~19:00
  • 定休日:火・水曜
  • HP:http://artisan-palet-dor.com/

ショコラティエ パレ ド オール東京

  • 住所:東京都千代田区丸の内1-5-1 新丸の内ビルディング 1F
  • TEL:03-5293-8877
  • 営業時間:11:00~21:00(L.O.20:30)
  • 日・祝11:00~20:00(L.O.19:30)
  • HP:http://www.palet-dor.com/index.html

ショコラティエ パレ ド オール大阪

※「THE PEAT」はショコラティエ パレ ド オール東京店と大阪店でのみ販売。
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