今回ご紹介する2銘柄は、初心者でも飲みやすい、マイルドな口当たりが特長のウイスキーです。日本うまれの『知多』は、とうもろこしなどの穀物を原料に、手間暇をかけてつくられたグレーンウイスキー。アメリカうまれの『メーカーズマーク』は、とうもろこしなどの穀物と良質な冬小麦を使用したバーボンウイスキーです。どちらも厳選した原料に由来する、ほどよい甘みが感じられます。ハイボールはもちろん、トッピングなどでアレンジしながら味わえるので、家飲みの機会が増えるこれからの季節にも幅広くお愉しみいただけます。自分の好みを確かめながら、多彩な香味をフライトしましょう。
それぞれの原料やつくりのこだわりを探ってみましょう。
とうもろこしや熟成樽由来の甘さを活かし、
繊細につくり分けたグレーン原酒をブレンド
愛知県の知多半島に位置する知多蒸溜所。とうもろこしを主原料に、「クリーン」「ミディアム」「ヘビー」と、異なる個性をもつグレーン原酒をつくり分ける、世界でも類い希れな蒸溜所です。連続式蒸溜機で繰り返し蒸溜するため、3タイプの原酒の酒質はとてもピュア。熟成樽の影響を受けやすく、樽由来の甘い香りが活きた原酒が育まれるのです。『知多』は、熟成を深めた数種類のグレーン原酒を丁寧にブレンドしているため、原料であるとうもろこしや熟成樽に由来する甘さをはじめ、さまざまな香味が感じられます。
パンのレシピを参考に生まれた
冬小麦がもたらす甘く香ばしい風味
「世界にたったひとつをあなたへ」。そのコンセプト通り、世界中のウイスキーラバーズのことを考えてケンタッキー州の小さな蒸溜所で丁寧につくられているのが『メーカーズマーク』です。多くのバーボンウイスキーが原材料にライ麦を使用する一方、『メーカーズマーク』は、小麦でパンを焼く実験で究めたレシピをウイスキーに応用。ライ麦の代わりに冬小麦を採用した黄金比率の配合を編み出し、ハンドメイドに徹した独自の製法を用いて、香ばしいパンのようにやわらかい甘みを実現しているのです。
それぞれの“甘さ”と相性抜群の素材をご提案しましょう!
甘く穏やかな『知多』には、山椒やすだちなどの和素材をあわせて。『知多』本来の軽やかな甘みを引き立ててくれますよ。ゆずやしょうがもOK。季節にあわせて選んで、日本のウイスキーならではの組み合わせをお愉しみください。
甘美ながら力強さも感じさせる風味の『メーカーズマーク』。香味をキリリと引き締めてくれるのが、オレンジやレモン、ライムなどの柑橘系フルーツ。バーボンの芳醇感に柑橘の爽やかさが加わり、飲みやすさも抜群です。
多彩なアレンジで個性を発揮するのが奥深い『知多』と『メーカーズマーク』。“甘み”がキーワードの2つの銘柄で比較した、今回のフライトはいかがでしたでしょうか?どちらもつくり手の技と想いが詰め込まれた珠玉のウイスキーです。ストレートで本来の個性を愉しむもよし、炭酸などでアレンジして、違った個性を引き出してみるのもよし。あなた好みの飲み方を見つけて、この冬を暖かく包み込むような、極上のフライトをお試しください!