ウイスキー通への登竜門!?“スモーキー”を知る ラフロイグ セレクトvsカネマラ 2016.09.29 Update

ふたつの個性派ウイスキーから学ぶ
“スモーキー”の奥深さ

「スモーキーな香りがする」、「ピート香が効いている」など、ウイスキー特有の香味表現を見聞きしたことはありませんか?
今回のフライトでは、主にスコッチウイスキーに突出して見られることのある独特の香味“スモーキー”の正体に迫ります。
まず試していただきたいのは、潮の香りを抱いた強烈なピート香をもつ『ラフロイグ セレクト』。惚れ込むか、嫌いになるかのどちらかと称される個性派の筆頭です。比べてお愉しみいただきたいのが、アイリッシュウイスキーの異端児ともいわれる『カネマラ』。しなやかな口当たりで、爽やかさを兼ね備えた“スモーキー”を感じていただけることでしょう。

Bottoles profile

ラフロイグ セレクト  SCOTCH WHISKY

強い主張でウイスキー通を魅了する
アイラモルトの王者
  • ■産地:スコットランド/ラフロイグ蒸溜所
  • ■種類:シングルモルトウイスキー
  • ■特長:強烈なピートと磯の香りを思わせる個性的な味わい

カネマラ  IRISH WHISKEY

アイリッシュ唯一の
ピーテッド・シングルモルト
  • ■産地:アイルランド/クーリー蒸溜所
  • ■種類:シングルモルトウイスキー
  • ■特長:ピートの香りにフルーティーさが重なるスムースで複雑な味わい

刺激的な『ラフロイグ セレクト』、フルーティーさが重なる『カネマラ』

“広い入り江の美しい窪地”を意味する「ラフロイグ」。スコットランド南西の小さな島、アイラ島南部に蒸溜所を構える名門のシングルモルトウイスキーです。まずは、『ラフロイグ セレクト』の香りを試してみましょう。鼻腔を刺激する香りが、ピート由来のもの。消毒薬にも例えられる“スモーキー”の正体です。
“広い入り江の美しい窪地”を意味する「ラフロイグ」。スコットランド南西の小さな島、アイラ島南部に蒸溜所を構える名門のシングルモルトウイスキーです。まずは、『ラフロイグ セレクト』の香りを試してみましょう。鼻腔を刺激する香りが、ピート由来のもの。消毒薬にも例えられる“スモーキー”の正体です。
アイリッシュの革命児と呼ばれるほど、チャレンジングな活動を続けているクーリー蒸溜所。かつてピート採掘場所であったアイルランドのカネマラ地方の名前を冠した、アイリッシュ唯一のピーテッド・シングルモルトウイスキーが『カネマラ』です。その香りは、華やかでフルーティー。どことなく甘さが感じられ、奥に潜む“スモーキー”な香りも若々しくフレッシュです。

少しの加水で際立つ、個性ある味わいを堪能!

両者の味わいを比べてみましょう。まずは、『ラフロイグ セレクト』をひと口。強烈な香りからは想像できないような、ココナッツやバナナを想わせる熟した果実の甘みが広がります。舌に残るのが、スパイシーで重厚な海藻のアロマを纏ったピート香です。ウイスキーの香味は、少量の水を加えることで開きます。ウイスキーと同量を目安に、少しずつ加水して香味の変化を愉しんでみましょう。
『カネマラ』の味わいは、スモーキーさとフルーティーさを兼ね備えたフレッシュな印象。ハチミツのような甘さが、バニラやチョコレートの風味へと変わるのを感じてください。“スモーキー”さが特長の両銘柄。フライトしてみると、個性が際立ちますね。ロックやハイボールにアレンジすると、飲みやすくなりますよ。

“スモーキー”なフレーバーはウイスキーの原点。
その真相を探ってみましょう。

そもそも“スモーキー”ってなに?

スモーキーやピーティー(ピート様)という言葉を日本語に言い換えると、「燻香(くんこう)」。煙で燻したような香りのことを表します。そうした香りは、モルトウイスキーの原料である「大麦麦芽」を乾燥させる際に、ピートと呼ばれる泥炭(でいたん)を焚いていることから得られるもの。生産地の多くがピートを豊富に採掘できることから生まれた、伝統的なスコッチウイスキーの製法です。そしてピートとは、約1000年の年月をかけて堆積した腐植土のこと。採掘された土地の自然環境によって、さまざまな特長のあるフレーバーが現れます。

  • ラフロイグ蒸溜所があるアイラ島は、日本の淡路島と同程度の小さな島。全島の1/4が厚いピート層に覆われており、島民たちは古くから暖炉の燃料として採掘したピートを使用してきました。周囲を海に囲まれているため、アイラ島のピートには海藻が含まれています。このことが、『ラフロイグ セレクト』の香味が磯や潮を感じさせる所以となっています。

    1815年創業のラフロイグ蒸溜所。“ピート”を効かせた個性派として、スコッチウイスキーの発展に大きく貢献してきました。「ラフロイグ」は、シングルモルトウイスキーで初めて、英国王室御用達ブランドに認定されていることでも知られます。ラベル上部を飾るのは、“平和の楯”と呼ばれるプリンス・オブ・ウェールズの紋章です。

  • アイルランドの首都ダブリンから北へ約67マイル。北アイルランドとの国境間近に位置するクーリー蒸溜所は、1989年からウイスキー製造をはじめた新進気鋭の蒸溜所です。一般的にアイリッシュウイスキーは、ピートを使わないスムースな飲み口が特長ですが、『カネマラ』はピートを使用し、スコッチウイスキーにならった2回蒸溜を採用しています。

    緑の大地が広がり、エメラルド島とも呼ばれるアイルランド。『カネマラ』は、しっかりとしたスモーキーさを感じさせながらも、緑の大地を想わせるしなやかでスムースな香味がユニークです。クーリー蒸溜所では、他にもさまざまなウイスキーを発表しており、歴史は浅くとも、国際的に注目を浴びる存在となっています。

ウイスキーは、つくられる土地の気候風土を色濃く宿すもの。
“スモーキー”の奥に潜む個性を存分に味わいましょう!

相乗効果で個性を引き立たせる、最適なマリアージュメニューは?

ムール貝の燻製をつまみに、
『ラフロイグ セレクト』のハイボールを

ムール貝の燻製をつまみに、
『ラフロイグ セレクト』のハイボールを

強烈なピート香をもつ『ラフロイグ セレクト』も、炭酸をあわせるとグッと雰囲気が変わります。スモーキーさをしっかり残しながらも、軽快で豊かに香る磯を感じさせるハイボールに。ムール貝やつぶ貝の燻製を組みあわせて、少しずつ噛みしめるように味わうのがおすすめです。アイラ島の風光明媚な入り江に寄せては返す波が思い浮かぶようですね。

『カネマラ』のハイボールには、
ニシンの燻製マリネが好相性

アイリッシュウイスキー特有のスムースな香味は、炭酸で割ることでさらに際立ちます。ピート香にフルーティーさが重なって、飲み口はとてもマイルド。食事との相性もよいハイボールです。マリアージュメニューに選ぶなら、アイルランドでも広く親しまれているニシンのソフト燻製を。酸味を効かせたザワークラウトをあわせてさっぱりと仕立てるのもおすすめです。

加水やマリアージュで“スモーキー”な香味も七変化。
あなた好みの愉しみ方を見つけてみてください!

“スモーキー”に注目した今回のフライトはいかがでしたか?親しみのない銘柄を試すときは、多彩なウイスキーが揃うバーを訪れるのもいいですよ。ストレートで飲みきれないと思ったら、バーテンダーに声を掛けて、水や氷を足したり炭酸を加えたりしてもらいましょう。
『ラフロイグ セレクト』と『カネマラ』を飲み比べることで、ウイスキー特有の香味、“スモーキー”の魅力を体感していただけたのではないでしょうか。飲み方によってガラリと印象が変わる点も面白いですね。魚介類の燻製は、スーパーや酒販店で手に入るものもたくさんあります。気軽にアレンジして、あなた好みの組み合わせを試してみてください。

LAPHROAIG vs Connemara

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