禁酒法施行以前のバーボンが力強かった理由のひとつとして、1897年に制定された法律ボトルド・イン・ボンドがある。当時、水で薄めた粗悪品や混ぜ物をしたイミテーションが出回り、市場の混乱を招くとともに酒税という国家財政への影響が懸念され、定められたものだ。
1蒸溜所で1年のうちの1シーズンだけ蒸溜したものだけを樽詰めし、政府税官吏監督のもとで4年以上熟成、アルコール度数50%以上で瓶詰めする。この条件を満たした製品に限りボンデッド、またはボトルド・イン・ボンドと名乗ることができるというものだった。この品質保証により深遠で力強いリッチなバーボンが誕生していった。「ノブクリーク」はその当時の味わいを復刻したものである。
「ノブ クリーク」とはケンタッキー・ヒルにある小川の名前。ケンタッキー出身の第16代大統領リンカーンが幼少期を過ごした土地であり、この力強いバーボンにアメリカの最も偉大な大統領の育った地の名を冠した。
独特のスタイリングは禁酒法時代を物語る。人々はブーツに隠しやすい形状のフラスクボトルに酒を入れて持ち歩いた。その形状を取り入れたものである。
毎年ロンドンで開かれる世界的権威のある酒類コンペティションISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)。選ばれた世界の優秀なブレンダーやディスティラリーマネージャーたちが審査することで名高い。
「ノブ クリーク」は、ISC2014においてウイスキー部門でGOLDを受賞。さらに「ノブ クリーク シングルバレル」はウイスキー部門最高賞のTrophy(トロフィー)の栄誉に輝いた。力強さと香味の深遠さを世界が認めた。
KNOB CREEK-based Recommended Cocktails
ノブクリーク・ハイボール
ノブクリーク・マンハッタン
ノブクリーク・オールドファッションド
ノブクリーク・ミント・ジュレップ
17世紀末、ヨーロッパからアメリカに渡った移民たちが最初につくったウイスキーがライ麦を主原料にしたウイスキーだったといわれている。そして19世紀には興隆し、1920年の禁酒法施行(~1933)以前のアメリカではバーボンウイスキーではなくライウイスキーのほうが主役だった。禁酒法撤廃後は衰退し、1960年代になるとライウイスキー製造から撤退するメーカーが相次いだ。そうした状況下、ビーム家はアメリカンウイスキーの原点が失われないよう努める。縮小する市場規模とは関係なく、バーボンウイスキー製造のかたわらライウイスキーをつくりつづける。「ノブ クリーク ライ」は原点回帰のクラフトバーボン思想が蘇らせたプレミアムなライウイスキーである。
現在、ライウイスキーは連邦アルコール法によって次のように規定されている。
フレッド・ノウ
フレッド・ノウ
[ノブ クリーク]
シリーズのなかでも最も長い9年を超える熟成をした逸品「ノブ クリーク」。6代目ブッカー・ノウが禁酒法以前の“本来あったバーボンの姿”を目指して復刻。アルコール 度数100プルーフ(50%)の力強いバーボンである。
フレッド・ノウ
フレッド・ノウ
[ノブ クリーク シングルバレル]
フレッドは「さらに力強く、リッチな甘みを抱いている」と説明する。父が創出した“バーボン本来の姿”を語るにふさわしい1樽をフレッドが選び抜いて、瓶詰めしたものだ。
世界のウイスキーづくりのプロフェッショナルたちが唸ったこのシングルバレルを、フレッドは日本のウイスキー愛好家に是非味わっていただきたいと切望している。
フレッド・ノウ
フレッド・ノウ
[ノブ クリーク ライ]
トウモロコシを主原料にするバーボンではなく、ライ麦を主原料にするライウイスキー。フレッドが原点回帰のクラフト思想をもとに、かつてのライ興隆時代の懐古を込めて力強さのあるライウイスキーを復活させた。
クラフトシリーズらしい力強くリッチな香味特性に潜むハーブ的な感覚は、ブルーグラス・ステートと呼ばれるケンタッキーの草原をそよぐ、甘く爽やかな風を想起させる。